山陽

MAKER'S TALK

episode 00. 革への思い

小崎 勉
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「さすが山陽」と言わせたい。

小崎 勉 Tsutomu Kozaki
生産部 品質管理課 副主任

小崎 勉

革を鞣し終わった後の、「仕上げ」一式をやっています。新商品の開発と、生産する革の品質管理ですね。営業が取ってきたお客さまから注文に対し私たちが革の「サンプル」をつくってご提案し、OKをいただいたらそれをロットで生産する。その一連の流れを管理するのが、私の仕事です。

山陽のお客さまは靴メーカーさまも多いですが、変わったところでは、ハンドルやバスケットボールの革というものもあり、当然、それぞれに求められる物性は違います。「こういうモノをつくりたいから、こういう革がほしい」 というオーダーに対して、いかに応えるか。クリアできたときは、ガッツポーズが出ます(笑)

最近でいえば、カメラケースになる革を担当させていただいたことがありました。使う方も、強いこだわりを持った人が多いですから、その素材となる革にも高いスペックを求められます。天然の皮革ですが、工業規格並みのクオリティに。色味のレベルも、普通の革ではできないぐらいまで試行錯誤しながら高めていきました。ロットにしたときに、品質を維持するのも最初のレベルが高いと、さらに難易度は上がります。

技術者として成長したことですか?私は、ある意味打たれ強くなっているかもしれません(笑)お客さまから「こうじゃない。こういうものが欲しいんです」と言われる度に、それを超えていかなくてはならない。管理にあたっても、品質を維持するために問題を克服し続けなければはいけないし、同じ課題が来たときには、対応できるようになっていないといけませんから。その積み重ねが、成長だと思います。

小崎 勉

私たちの革づくりは、まずサンプル作りから始まる。そして、そのサンプルをロットで「再現」できるということがとても重要です。ご要望を「現実」にするために、考える。その基本があった上で、たとえば小ロットであっても「ハンドアンチック」というような、手作業で染料の量を調整しながらワックス加工を施し、美しいムラのある艶やかな色合いを出す、職人の技もあるんですよ。

今まで、私たちはお客さまのご要望に応えることが仕事の中心でした。仕上げの職人は、現実的なんですが(笑)これからはオープンスタンスなものづくりをやっていきたいですね。革があって、つくられる製品がある。そういった見せ方ができるようになると分かりやすいし、いいんじゃないかと思います。

仕事をしていて嬉しいのは、サンプルがメーカーさんに通ったときですね。他のタンナーさんもいらっしゃいますから勝たないと、獲れない。でも、革づくりは生きものですから、「革よ、言うこと聞いてくれ」と思うことだってあります(笑)

昔は、革といえばそれだけで高級品でした。でも今は、その革の中身、物性まで求められるレベルは高く、お客さまの目も厳しくなっています。だからこそ、そのハードルを超えられる自分たちでありたいと思います。たとえば「これって革でできてるの?」と言ってもらえるような驚きのあるモノも。「さすが山陽」と言ってもらい、評判になるようなものを作りたいですね。