山陽

MAKER'S TALK

episode 00. 革への思い

高橋 伸次
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先駆ける革を。

高橋 伸次 Shinji Takahashi
生産部 生産一課 課長心得

高橋 伸次

19歳から23年、これまでに革づくりの様々な工程を経験し、現在は染色に至るまでの全工程を管理しています。革づくりは、素材で勝負が決まると思われがちですが、大事なのは、素材を活かすつくり手の力。仕入れた原皮を水洗いする最初の下処理からして、最終的な仕上がりに決定的な影響を与えてしまいます。

「皮」から「革」に変化させるとき、私たちが大切にしているのは「肌目」。銀面と呼ばれる毛穴のある表面がなめらかでハリがあるものになるかどうかは、石灰漬けから鞣し液に漬ける工程をいかに調整するかにかかっている。それぞれの工程に、それぞれのプロがいるのです。

私自身は、色んな現場に「応援」として入ることが多く、様々な場所で学んできたことが、現在の全体の流れを作っていく「管理」の仕事と結びついているかもしれません。でも23年目でも、まだ勉強中のところがある。たとえば「乾燥」や「仕上げ」の工程については、まだ、その入り口に立ったばかりです。そこには年上のこだわりを持った職人がいて、学ぶべきことが山のようにある。時間をかけて現場に溶け込んでいって勉強をしていく中で、今まで見えなかった仕事上のポイントが見えてくることも多々あります。

高橋 伸次

私は、何でもやりたいというか、やって覚えたい。やらないことには分からないと思うんです。見よう見まねでその技を盗むというか、「なかなかやるな」というふうに認められるようになる。そうやって、職人たちの現場に馴染んできました。今は、それぞれの職人も色々な現場に回ってもらって、協力してもらっていますから、仲間がコミュニケーションをとることや、現場を楽しむということは、本当に大事です。

私たちは、革のプロとして、日々お客さまの元に、高いクオリティで均一にお届けするために、日々細心の注意を払っています。同時に、革のつくり手として思うのは、革本来の味わいというものもあるということ。人間と同じで、皺もあれば血管もある。それをどう捉えるかということかもしれません。

「いい革」とは、何か。もちろん、均一さという価値があります。時間とともに味が出る、革ならではの魅力もある。防水など、様々な機能が付加された革もあります。つまるところ、お客さまの「どういう革が欲しい」に応えることができる革のことだと思います。しかし、それはお客さまの声を待っているだけで作ることができるものではありません。メーカーさんも含め、みんなが悩んでいることですが、私たちは、その先駆けになるものを作りたいと思っています。