山陽

#02 “SHARER”

生かそう。

たとえばそれは、
使われていなかった場所。
誰かと一緒の時間。
捨てられてしまうもの。

たとえばそれは、
たいせつな思い出。
誰かと同じ気持ち。
これまでにないアイディア。

自然からもらった革を、
余すことなく生かすために。
シェアするということ。
それは、ふたたび命を吹きこむこと。

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#02 “SHARER”

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MEMORIES

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忘れないでとは言わないけど。

プレゼントボックスを捨てるのが苦手だった。
だから、革にしてもっと捨てにくくしてやった。
おまけに、年季の入った日焼けプリント付き。
いつか日焼けが馴染んで消えるまでは、忘れられないぜ。
…ずっと忘れないでとは、言わないけどさ。

PROCESS

日焼けによって文字が浮かび上がる、「年月を贈るプレゼントボックス」。
浮かび上がった文字は、さらに時間が経過すると消えていきます。
最も日焼けしやすい生成りのヌメ革(100BASIC A-1)のキャメルを用いました。

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CAMPFIRE

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燻されたラグジュアリー。

シティーガールと軍手は、北極と南極のように遠い。
キャンプファイヤを愛するおれは
あの娘の隣で薪をくべる夢を諦めきれずにいた。
革を一本ずつ編み込んで、彼女のために作ったんだ。
一緒に煙を浴びれたら、どんなにラグジュアリーだろう。

PROCESS

「まるで糸のように革を編み上げた軍手」を実現するために、
薄く柔らかく加工でき、同時に丈夫さも持つ本場ステアのクロム革を使用。
業界初とも言えるほどの細やかさで編み上げました。
手首周りのデザインアクセントにも、色違いのソフトな革を使用しています。

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GOOD MORNING

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20,000回のおはよう。

君が毎朝開けるふすまの引き手に
革のカバーをつけたら、君はなんて言うだろう。
ま、僕も毎朝開けているわけだけど。
いや、恩を着せるつもりじゃないんだよ。
ただ、どう思うのかなって思っただけなんだ。

PROCESS

日々手に触れるものにこそ革を、という発想から生まれた「ふすまの引き手」。
自然な風合いを感じられるタンニン鞣しの革を用いています。
型を使って成形するため、保型性について試行錯誤を重ねました。

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GOOD AFTERNOON

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幸福は肘あたりにある。

たとえばあなたとの楽しいお茶の時間。
そんな幸せは、あなたがテーブルの角に肘を
ぶつけるだけで、簡単に壊れてしまう。
しゃぼん玉のように脆い、というのは比喩じゃない。
革のコーナーガードがガードするのは、幸福だと思う。

PROCESS

「タンニン鞣しの革でできたテーブルコーナーガード」。
革の色味の濃さや個性を生かしているので、家具に合わせて選べます。
自然な風合いは、特に木目との相性に優れています。

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GOOD NIGHT

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すてきな沈黙。

ひとは、眠ろうとするときは一人だ。
「おやすみ」と僕が君に言うとき、
僕たちはそれぞれ一人の沈黙の中にいる。
二人にとってその時間は、とても大切なもの。
電気を消す瞬間、その豊かな時間がはじまる。

PROCESS

「タンニン鞣しの革でできたスイッチカバー」。
細かな凹凸も一枚の革で表現するため、保型性の高い革を使用しています。
インテリアにも合わせられるよう、カラーバリエーションにもこだわりました。

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STEPS

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いい趣味してるわ。

年をとったのだと言ってあの人は笑った。
笑い皺を褒めるのは禁句ということぐらいは知っているが、
私はその足跡を愛することを許されたいと思った。
アドバンレザーの下駄の天には、歩いた足の形に色が浮かぶ。
いい趣味ねと皮肉る笑顔はあの日より優しかった。

PROCESS

「圧縮杉とアドバンレザーから生まれた下駄」。
イメージは、seccaの拠点である金沢の近くに伝わる輪島塗り。
漆塗りの研ぎ出しによる色ムラを表現するために、アドバンレザーの下に凹凸のあるものを置いて磨き、下地の色を出してイメージに近づけました。

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CHATS

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ご一緒しません?

君が大勢の中でおしゃべりした後で
僕は君からおしゃべりをシェアしてもらう。
磁器と革と真鍮でできたコップみたいに
ちがうもの同士なのにぴったり一緒にいられる。
そんな君に僕は、ちょっと憧れてるんだ。

PROCESS

「磁器と真鍮と革から生まれたコップ」。
それぞれ異なる質感を持った素材のコンビネーションを表現した作品。
触感の違いを感じていただけるよう、自然な風合いのヌメ革を使用しました。

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SEASONS

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混じり合うとき。

春夏秋冬という言葉がなければ、
本当は季節の区分けなんてないのかもしれない。
春の中には夏が、夏の中には秋が混じるように
様々な色の端切れを人の目で分けたスツールには、
混じり合う季節を語るような親しさがある。

PROCESS

SANYO LEATHERをトリミングした際の端材を使用して
「落ち葉のように革を敷き詰めたスツール」。四季を感じるパッチワークのように、カラフルな色の革を同系色ごとに貼り、普段意識されない革の豊かな色彩の広がりを表現しました。

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YEARS

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重ね合うとき。

森の地面のように。あるいは地層のように。
ヌメ革の端切れを重ねたベンチには年月が重なっている。
あなたの1年前も、私の10年前も、重なり合っている。
時間は過去から未来への直線ではなく、揺蕩う。
出会わなかった出会いも、存在できるかもしれない。

PROCESS

「積層した落ち葉のように革を敷き詰めたベンチ」。
ベンチ用の革は、SANYO LEATHERのタンニンなめし革をトリミングした端材。
様々な厚みの端材を重ね、フロッタージュのようにひとつひとつの革の存在が感じられる貼り方をしました。積層した革と、経年変化していく革の色合いで、時間の蓄積を表しています。

SPONSORED DESIGN TEAM

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WHOSE LEATHER_SHARER

プロジェクトについて

あなたは知っていますか?
畜産副産物と呼ばれる食用牛の皮の多くが、
利用されないまま廃棄されていることを。
“皮”をなめし、“革”にするタンナーは、
価値あるものを生み出すことによって
牛をもう一度「生かす」ことに貢献しています。

革は、私たちの生活を豊かにし、支えるもの。
革を余さず使うことは、自然から与えられた
恵みを大切にシェアすることにつながります。
そして、優れた技術を持つタンナーは、
生きものとして当然あるシミやシワ、キズを生かしつつ、
自然で美しい革に「生かしきる」のです。

新しい時代がスタートした2019年。
創業108年を迎える山陽は、企業活動の一環として
「Sharer / 生かそう。」をテーマとするプロジェクトを開始します。
建築家、プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーといった
クリエイターとともに、「革の可能性」を生かし、
「私たちの暮らしの可能性」を生かすモノたちを発表します。

生かそう。
見慣れたものの中にこそ、ワクワクが隠れている。
新しいチャンスも、きっとそこにあるはずです。