イベント
山陽レザー・デー〔工場見学・革の相談会・即売会〕のご案内《2024.12~2025.3》
お知らせ
株式会社山陽は、持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
SDGs項目の内、現段階で皮革企業が優先的に取り組む課題9項目をピックアップしました。
事業活動を行う上で、SDGsの掲げる目標達成に貢献することが重要だと考えており、達成に向けた活動を推進してまいります。
【産業指針】
世界の人口推移は2050年には90億人を超えるであろうと予測されています。人口増加に伴い、家畜飼育頭数も増加の傾向にあり、現在牛だけでも14億頭を越えさらに増加傾向にあります。しかしながら人口増加ペースに追いつけずにいるのが現状です。2030年までに飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分に与えられるようにする為には食料増産は当然の理です。しかし同時に多くの課題があり、その一つが副産物である皮の行き先と言われています。食肉産業からの副産物ダル皮を有効利用、製造工程で排出される副産物、廃棄物の有効利用をしなければ、廃棄には埋め立てか焼却処分のどちらかの選択をせざるをえなくなり、どちらも問題を含みます。なぜなら皮は食用としない限り必ず排出されるもので、高い有機物含有量及び多くの水分を含んでおり、広大な処分場の確保やCO2の排出増加懸念等、環境破壊の要因になりかねません。世界牛皮産出量約3.4億枚(内日本約100万枚)でその他はおよそ羊皮5.5億枚・山羊皮5億枚・豚皮2億枚が現在でも排出されており、冒頭で述べた通りこれからも年々増加するでしょう。ゼラチンやコラーゲン製品などの利用もできますが、量的にすべての革からの代替は不可能です。適正な畜産業の為には、副産物の利用が必要不可欠であり、付加価値を提供する手段として皮革製造は事業を行う上で貢献できる分野であると考えています。株式会社山陽は食肉副産物である牛皮のみを使用した加工製造販売をしております。
・有害化学物質を含有しない
・ROHS・REACH等の規制遵守
・大気VOC排出の削減
・排水対策を適切に運営・管理
・有害な化学物質や物質の排出削減(排水処理・廃棄物管理)
・水利用の効率の改善(節水)
・統合水資源管理
■㈱山陽ではグリーン調達ガイドラインを制定し、環境保全に積極的な企業様から、環境に配慮した製品を優先的に調達していく事を推進してます。これはすべての人々の健康的な生活を確保する為に必要な対応と考えています。環境に配慮した製品を取り巻く社会現象は、大きく変化しており、製品含有物質に関わる規制も増えてきました。日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)が改正され、段階的に規制が強化されています。EU委員会が制定したROHS指令では指令対象物質を原則含んではならずとあり、同じくREACH規制においては、公表されている許可対象候補物質(SVHC)が年を追うごとに増加しています。㈱山陽では、これらの国内外の製品含有物質に関わる規制などに対応していく方針です。故に、ROHS指定・REACH指定・化審法第1種特定化学指定・安衛法製造禁止指定・毒劇法特定毒物指定等の化学物質について、山陽は調達する薬品に等に「含有禁止物質」を含むことを原則として容認しません。
■大気VOC排出では、塗装での揮発性有機化合物使用削減を推進しており、水性塗装のみの移行も実施試験をしております。技術的に可能な対策は促進していくのはもちろん、塗装ブース内のごみやブツの削減・消臭等の環境配慮も検証試験中です。溶剤大気測定は医師会での定期的な環境測定を実施しており、基準内数値を遵守しております。環境省には第一種指定化学物質の排出量及び移動量の届け出を毎年行っております。(PRTR)
■山陽が工場で使用する水はすべて地下水を利用しており、最終には川や海などではなく下水に排水致します。皮革製造において水は生命線で非常に多くの量を使用するのですが、洗浄時等にかかる節水は常に心がけています。しかしながら、数値としての具体的な成果が乏しく、今後2030年までに準備鞣しの最大に水を必要とする工程において、技術的に節水が可能な製造方法を確立する事を目標として取り組んでまいります。排水に関しては、山陽内の浄化設備により工場におけるすべての排水を集中的に処理し排水しております。溜まった汚泥等は分離し、乾燥圧縮処理で固形化したものを産廃として最終処理して頂いております。排水基準値につきましては、市から定期的な基準値測定がなされており、これにつきましても当然ながら遵守しております。VOC排出や排水につきましては行政と連携して基準遵守を常としております。
■化学物質
ノニルフェノールを含む活性剤や鉛やフタル酸含有の薬品はすべて数年前から撤去済み。今後の使用や購入もしない。各サプライヤーには伝達対応依頼。常時増加する指定化学物質の情報収集とそれに伴う即時対応はサプライヤーの協力の基に実施。現在、防水剤におけるフッ素含有を対応中。
■排出物
大気VOCにおけるトルエンの排出削減の推進及び溶剤使用の抑制
今年度環境測定は基準値内。
■排水
排水における下水道排水基準(ヨウ素消費量220ppm以下・Cr含有2ppm以下)の促進の為、アクアブラスター処理及びバイオ菌添加試験の実施
節水技術の調査
・雇用の創出
・全ての労働者の権利を保護
・安全・安心な労働環境の整備
・雇用と職業における差別の撤廃
・生産性のさらなる向上
・産業としての持続可能性を模索
■労働環境についてはWCA(Workplace Conditions Assessment)のIntertekによる国際監査で今年度97の高数値を頂いております。創業100年を越える企業として今もあり続ける事が出来るのは、そこで働く職人や関係するすべての人々が大切であるという精神が今も受け継がれているからです。働くすべての労働者の為の組合活動にも協力し、あらゆる面でのサポートを可能な限り推進してきた成果だと自負しております。
■今後の優先課題として衛生面や福利厚生などの充実はもちろん、生産性の向上に新たな機械化や設備及び教育等を整える必要性があります。
産業としての持続可能性を永続的に模索し発展し続け、すべての人が笑顔でいられるような体制作りに取り組んでいきます。
■健康と労働安全
工場内における火災警報装置を一新。
2020年度労働災害件数0件。
法定産業医を新たにし、労働環境や検診等の社員の健康管理アドバイスの緊密化と健康安全緩和ケアの促進
■2021年2月に航空機部品製造にも適用できるJISQ9100の認証を取得。
日本の皮革産業界では初めての認証工場としての取得で、ISO9001よりも厳しい条件の中で品質の安定と向上に務めて行きます。
■平等な機会
採用や昇進プロセスの基準化
技術継承プロセスの確立
社内外の教育機会の提供及び促進
労働者の尊重(団体交渉の権利など)
・環境に配慮した製造
・イノベーションの促進
・新たな素材としての可能性の追求
・他産業・他分野との連携
・サプライチェーンの確立
■山陽では長い間、クロム鞣しという鉱物を使った鞣し方法で製造された革が主流でした。
しかし、クロムはある条件下の焼却等で6価クロム生成が行われる場合があり、問題視される事があります。山陽は10数年前より日本でも希少なピット槽を使用したフルベジタブルタンニン鞣しを始め、クロムを使用しないもしくは少クロムの素材製造に取り組んでいます。2020年に少クロム鞣し革の製造販売を開始しており、今後は環境に配慮した素材の製造をさらに推進するべく白革の販売にも取り組みます。
■SNSの活用はもちろんWEB販売にも力を注いでいます。
また製造のみならず、業務や管理に至るまでAIやIOT等が活用できる分野には積極的に取り組んでまいります。
また節水や少薬剤使用等、環境面を考えた製造方法の開発にも取り組んでまいります。
■新たな素材として機能性をもった商品を、すでに会社理念で唱え数多く開発販売しております。
今後は従来の用途や考え方にとらわれず、様々な場所場面で使用される可能性を模索し推進してまいります。
その為にも現在は大学や高校・公営の技術センターはもちろん、協会や連合そして他産業の方々と交流し情報交換等を推進しております。2030年までには事業としてコラボレーションした商品開発や製造販売等に取り組めるようさらに推進していく考えです。
■山陽は基本的に消費者の注文を受けてから商品を完成させる「受注生産」方式をとっており、サプライチェーンが十分に機能していてこそ成り立つ方式です。商品の企画やデザインに始まり、材料の調達・製造・物流・販売と、消費者の手に届くまでの間にこのような過程があり、その過程はそれぞれの部門別で担う事が常でした。故に需要と消費動向に応じた増産減産といった柔軟な対応が遅れておりました。2020年より生産管理課を新設し、すべての工程を一つの連続したシステムとして一元管理できるように致します。これによりバリューチェーンを促進しやすくし、持続の可能性をさらに高める要因となるのではないかと考えています。
■開発と発想
フルベジタブルタンニン鞣革の製造を促進(クロム鞣しとの比率を30%以上)
サステナブル商品の開発促進
新たな鞣し方法の調査
■WEB利用
2020年アリババでの皮革販売を開始。
ホームページの新たなレイアウト企画の推進
■企画と展示及び交流
東京レザーフェアや個展の開催など、様々な展示会に参加や企画。
2020年10月末、国際生地素材展に展示参加。従来の製品顧客以外の交流や情報交換を実施。
■JISQ9100の受注生産管理プロセスの拡大
生産管理課を中心とした生産管理プロセスの構築範囲拡大
・3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進
・化学物質等の放出の低下
・廃棄物の削減
・製品についての注意表示、ラベル表示
・環境にやさしい技術の開発と普及
・使用エネルギーの低減、管理
・再生可能エネルギーの積極利用
・ESG投資による貢献
■使用する薬品は基本的にプラスチック容器に入っており、一部の取引先の方には中身の詰め替えを行って頂き処理の軽減に努めています。しかしながら使用済みプラ容器のほとんどは裁断し業者に処理をお願いしている状況です。プラ容器に限らずすべての資材において3Rが推進できないか、廃棄物自体も削減できないか、今後の課題としてロードマップを作成し推進してまいります。
■化学物質の適正な利用を促進するため、ROHSやREACH及び化審法等の抑制法を随時情報を更新し、行政や化学物質に関する関連企業の交渉や対応及び協調を促進します。
■製品についての注意表示やラベル表示などについては、トレーサビリティの観点から模索しております。
計量と共に会社名と大きさが記入されたシールをすべての革に張っているだけでなく、さらなる表示方法を確立し情報が相互にとれるような仕組み作りに取り組みます。
■会社理念でもある環境面への負荷低減を考え、天然素材の利用促進及び排出物の削減や無害化等の技術開発を促進します。
■電気使用については使用上限を設定しており、オーバーしそうな折には工場内に警報が鳴るような仕組みがなされています。
明かりについても工場内のLED化も促進しており、将来的にはすべてのLED化を目指しております。
ガス電気につきましては常に使用料を管理し、月ごとの消費グラフも全社員に掲示し情報共有を計れるようにしています。
2030年までには太陽光やバイオガスなどの再生可能エネルギー施設の設置が目標です。
■ESG投資は、2006年の責任投資原則(PRI)の提起がきっかけで、社会的な課題解決が事業機会と投資機会を生み出すという世界共通の投資ガイドラインとしての性格を持ちます。バリューチェーンを支える中心にESGを置き、各事業活動と結びつくSDGsの掲げる目標に向けて推進しています。山陽は今後も環境・社会・ガバナンスとESGに関する要素に貢献してまいります。
■廃棄物割合:原皮に付着している泥・糞・塩等の付着物及びフレッシング時の脂肪肉片・バンドナイフ時の床面部・WBのSHV時の青屑等の除去により投入原皮乾燥重量の60~80%が主製品となり、それ以外の約10~30%が副産物としての販売もしくは引き取り。乾燥後の廃棄物としての縁断ち発生率は5%未満。断ち屑等の処理方法が今後の課題。
■化学物質管理
使用している薬品会社からの薬剤はすべてSDSを提供して頂き、いつでも参照や掲示が出来るよう管理。また、第三者試験機関を利用し証明することはもちろん、希望される企業様には不使用誓約書等を定期的に提出。
■エネルギー
年間電力使用分析からの対応促進。
■社会的責任
廃棄物によるバイオガスなどの発生検証を産学共同で進行中。
会社理念及び行動指針を基本とした行動と法令の遵守
・保護対象となっている動物起源の皮を使用しない
・原料皮からのトレーサビリティ
・国産原料皮の利用
・フェアトレード
・持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
■ワシントン条約等に記載されている保護動物及び絶滅危惧種等はもちろん、肉ではなく嗜好の為の皮を採取する為にされている養殖動物皮の使用は一切しておりません。山陽で加工している皮は100%が家畜からの副産物です。しかしながら家畜といえども命の重みには変わりはありません。人間は生まれ落ちた時から食べ物として他の植物や動物等の命を得なければ生きてはいけない罪深い生き物といわれています。古来より日本人は食事の前と後に「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせ、自分を生かしてくれている食べ物に感謝を表します。多分、物心ついてから一度も言った事のない日本人はいないでしょう。その精神により命を無駄にしないという考えが浸透しているのです。我々は学術的依頼等以外では食肉以外で発生するすべての皮の使用は今後もせず、副産物皮や革の廃棄や焼却等は出来うる限りしないようにする方法を模索し推進し続けます。
■山陽は基本的に原料皮を購入し皮革加工をしております。原料皮前の牧場から1頭1頭管理するというのは現状では非常に難しい状況です。まずは原料皮の産地や重量管理からはじまり、12の項目で述べた製品までのトレーサビリティシステムを構築してまいります。
■国産原料皮の使用はすでに数年前から始めています。地産地消の考えでは、その比率を上げる必要性がありますが等級等の諸問題が解消されていません。我々は企業として産業として持続していかなければなりません。顧客の求める国内外の原料皮購入はバランスを保ち推進していきます。また他のすべての購入販売に関する事案についてもフェアトレードを基本として行きます。
■購入先や製造開発・物流及び販売先から最終ユーザーまで、山陽に繋がるすべてのパートナーの方々との連携や情報共有等の強化プランを構築し、さらなる活性化を目指します。
■使用される原皮は食用副産物である牛皮のみの使用。
使用原皮の重量 約10~30kg
購入はSDGs先進国の北米及びEU(オランダ)から主に輸入。原料皮の生育環境が注目される中、トレーサビリティの拡大が今後の目標。(CITESに記載される動物は処理しない)
■サプライヤー及び関連団体
JISQ9100管理基準の基、経済面・環境面・社会面・取引対応など考慮して取引先を評価。
その他、様々な課題に関連団体(日本タンナーズ協会や皮革指導所等多数)協力。
■JICA支援協力
JICA(国際協力機構)はアフリカの産業振興の支援プロジェクトの一つとして皮革産業支援があり、素材として優れているアフリカシープ革のブランド化・国際競争力を持たせ輸出振興を目標としています。山陽は途中からの参入となりましたが2018・19年と弊社社員が現地に赴き、、品質の不安定さが問題となっている中で品質管理指導や下級処理改善の為の仕上げサンプルの作成などの支援協力を行いました。今後も、引き続き支援協力を継続していきます。
株式会社山陽は、その事業により社会に貢献する為に、我々が出来る事は何かを常に考え続け、一歩一歩実現させてまいります。
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