山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
山陽Letter
こんにちは、
先週の12月7日・8日に東京・都立産業貿易センター 台東館で開催されました「第106回 東京レザーフェア」の模様をレポートいたします。
今回は、内容が盛りだくさんになりますので、前編・後編の2回に分けてお届けします。
当日は晴天に恵まれ、さらに12月とは思えない暖かな日でした。
(寒くなるかと思って着こんでいたのですが、暑いと感じました。)
今回のテーマも『R.O.O.T.S(自然をまとう)』で、皮革が自然と共にあるという事を随所で感じられるイベントになっていたのではないかと感じました。
今回は革のサステナビリティについて展示・訴求しているThinking Leather Action/シンキングレザーアクション(TLA)ブースでは、特設WEBサイトのオープンを記念したイベントが行われていました。
<Thinking Leather Action特設サイト>
https://tla.jlia.or.jp/
それから今回のキービジュアルも森林とレザーをイメージしたものでしたね。
さて、私たち山陽は、前回のラインナップ(Sustainable・Useful・Premium・Pitnume・Basic)に「Traditional」を加えた6つのラインナップで展示しました。
それでは、くわしくご紹介していきましょう。
様々な視点で「環境に優しい革」を展示しました。
生体時の傷や痛みが目立つ革を隠すことなくヘビーワックスタイプのレザーとして個性を増したレザー。前回に引き続き銀擦りタイプの「ガイア」と銀付きタイプの「マッシュ」を展示しました。
また今回は、新作としてシボ感を付加した「ガイア ミーリングタイプ」と「マッシュ ミーリングタイプ」も展示しました。
<ガイア ミーリングタイプ>
<マッシュ ミーリングタイプ>
前回は参考出品としていたものです。
革の表面コーティングに植物性ウレタンを使用した革です。
これまでウレタンコーティングを行う際には、石油系の原料を使うため環境への影響が課題でした。今回は、新色としてキャメル・レッド・ブルーを展示しました。
いずれもメタリック感のある色味とウレタンコーティングの光沢感も相まってキレイな革に仕上がっています。
こちらも前回は参考出品していたものです。
水性塗料を使ったガラス革です。前回は黒色のみでしたが、今回はブラウン・キャメル・ブルー・グリーンといった色の革を展示しました。
昨今の大気中への有機溶剤排出の低減が叫ばれている中、対策の一つになればと考えています。
山陽の特色として、機能性に特化した革の生産があります。
その中でも、「難燃革」をご紹介します。
レザー自体、燃えにくい素材なのですが、さらに改良を加えた「難燃革」です。
スムースタイプの「レッドアイ」、起毛タイプの「ヌバック」を展示しました。
これまでも、山陽の難燃革は閉鎖空間での使用となる「乗り物(列車・バスなど)のシート素材」に使用して頂いています。
難燃性について「関西ラボラトリー」の難燃試験(FMVSS)の基準をクリアしており、加えて「航空宇宙産業 国際規格 JIS Q 9100 認証取得」も取得しています。今後は航空機などへの使用も期待されます。
<レッドアイ>
<タイタン>
今回も主にキップの革をラインナップしました。
キップを世界でも希少なピット槽でフル植物タンニン鞣しを行った「シマー」。
肌目のきめの細かさや柔らかさを活かした「キップベルニカ」「カルロ (スムース・型押し)」なども好評でした。
また今回、カーフ革を染色タイコでムラ染めを行った「ペインター」も評価頂きました。
唯一無二のアンティーク感が特徴的な革です。
当社の特徴の一つであるピット槽で鞣したフル植物タンニン鞣し革です。
タンニンの成分を含んだ水溶液に約1ヵ月間、漬け込みじっくりと鞣した革です。
その中でも特徴的な2つをご紹介します。
PitNumeは本来、固くしっかりとした革になるのですが、超ソフトな革として仕上げました。クロム鞣しのような質感を感じて頂けます。ナチュラル感を出したいバッグなどに適した素材です。
十分な「粘り気」を付加した革です。革を折り曲た際に保持する力が強いので、立体的な製品におススメです。
私たち山陽が最も得意とし、多くのお客様からご愛顧頂いている革を展示しました。
その中でもアドバンレザーをご紹介します。
山陽でも代表的なアドバン仕上げ革の一つです。
コンパウンドや綿のバフで磨き上げることで、茶色や黒などのベースからライトブラウンなどへの色の変化が楽しめます。
いわゆる「逆アドバン」です。通常は外層を濃い色に内層を薄い色にした仕上げになるのですが、このフロンテは外層に薄い色、内装に濃い色となるように仕上げることで、面白い効果が出ています。
3色アドバンです。外層・中間層・内層で違う色を施し、さらに面白い効果をだした革です。今回は、「黒・オレンジ・黄(金)」と「パープル・青・銀」の2種類を展示しました。
来場された方には、アドバンレザーのデザイン的な可能性を感じて頂けたのではないかと思います。
今回新たなラインとして「Traditional」を立ち上げました。
コンセプトは山陽の長い歴史の中で、様々なレザーが開発・生産されてきました。時代の流れの中で淘汰されずに長く使って頂いているレザーや新たな手法で復活させた革をご紹介していきます。
今回はその中で、1点をご紹介します。
山陽が古くから生産している伝統的なボックスタイプのキップ革です。銀面を軽くバフ掛けして平滑性のある仕上げにしています。以前は靴用が主でしたが、肌目の美しさを活かした革小物にも最適な革です。
以上のように100枚を超える革を展示しました。
後編では、参考展示の革、「極めのいち素材」への出展革などをご紹介します。
それでは、次回もご期待ください。
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