山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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「ブランド」と聞くと、皆さんはどのようなものを想像されるでしょうか。
有名な鞄メーカーを思い浮かべる方、靴メーカーを思いつく方、洋服メーカーを考える方など様々かと思います。
その意味は、ファッションやアパレルメーカーを中心に自社や製品につけた「銘柄」で、他の会社や製品と区別するためのもの全てを指しています。特に製品についているロゴやネームなどシンボリックな物が印象的ですね。
現在、多くのブランドが生まれていますが、「ブランド」という言葉の起源をご存知でしょうか。
ブランド(Brand)は、昔ヨーロッパの農家で自分の「家畜」とくに「牛」を他者のものと区別するために、動物に「焼き印」を押していたことから生まれた言葉だと言われています。
「焼き印を押すこと」という意味の「Burned」を語源として、発生した言葉のようです。
(そういえば、焼くというのは「burn」と言いますし、焼くものは「バーナー」と言いますね。)
私たちタンナー(製革業者)においても日常会話の中で「ブランド」という言葉をよく使います。
ただし、その意味は文字通りの「焼き印」です。
山陽で作っている牛革には、以下のような「焼き印(ブランド)」がついているものがあります。
これがまさに牛が生きていた時につけられた焼き印が革になった時に残ったものです。
均一性が要求される革製品には敬遠されるものなのですが、焼き印は牛が生きてきた証であって、1頭の牛から1つしかとれない貴重な部位です。同じものは二つとして存在しません。
また焼印が押されるのは、通常お尻の部分です。そのため「ベンズ」という部分にあたり、革の材質としては、一番繊維密度が高く丈夫であり高級とされる革になります。(革の部位については、こちら(以前の読み物)をご覧ください。)
最近では、焼き印を使わない畜産業者も増えてきているとのことで、「希少性の高いもの」にもなりつつあるそうです。
革製品を作られている職人の方や製作者の方には、ぜひアクセントなどに使っていただいて、オンリーワンなアイテムに生まれ変わらせて頂けたらと思います。また革製品を愛好している私たちもその意味を理解して大切に使用していけたらと思います。
今回はここまで。
これからも革に関するお話をご紹介していきます。
では、また次回に。
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