山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
革の世界
革の事を知っていくと「ブライドルレザー」という名前を目にされることが多くなるのではないでしょうか。
「革の王様」や「最高グレードの革」といった表現をされる方もいる人気のレザーです。
今回は、「ブライドルレザー」についてご紹介したいと思います。
まず「ブライドル」とはどういう意味なのでしょうか?このブライドルという言葉は、馬の頭部に付けられる「頭絡(bridle)」からとられました。
頭絡(bridle):馬の頭部と手綱をつなぐために装着されている紐状の道具
この「頭絡」ですが、馬に装着して使うものですので、強い負荷に耐える必要があります。そのためブライドルレザーは、高い堅牢性を備えた作りになっています。
元々「馬具」の為に作られた革と聞くと個人的にロマンを感じます。
またブライドルレザーの一番の特徴は、表面を覆う白い粉ではないでしょうか。私も初めて見たときは、カビか長期間放置されたための汚れ!?と驚きました。
これは、カビでも汚れでもなく、意図的に多く含まれた油脂が表面に出てきた「ロウ成分(WAX)」で「ブルーム」と呼ばれています。
ブライドルレザーは、通常の革よりも多くの油脂を浸透させています。それは、より高い堅牢性を保つためです。
馬具に使われている革は、フル植物タンニンなめしで堅く作られた革を使用するのですが、さらに強度を増すために繊維の内部まで油脂を浸透させています。
また油脂をしっかりと浸透させることで、革製品として使用していく中で徐々に柔らかくしなやかになります。そして油脂分が耐水性も高めるため天然の防水効果も発揮します。
このように馬具という過酷な使用環境で耐えられるように長い時間をかけて作られた“機能性革”なのです。
あとブルームは、表面は布で磨くとピカッとした光沢を取り戻しますので、安心してくださいね。
山陽においても、ブライドルレザーは人気の革の一つです。
私たちは、伝統的ななめし方法である「“ピット槽なめし”にこだわった植物タンニンなめし革」(本ヌメ革)を作り続けており、これらをベースにブライドルレザーを生産しています。
社内で一貫した生産を行っているので、一般的なステア(成牛)だけでなく、ご要望に応じてキップ(若牛)のブライドルレザーの生産もしています。また色についても黒・茶以外にもネイビーブルー、ワインレッド、モスグリーンなど多様な色展開のオーダーもお受けしています。
革小物などには抜群の相性を発揮しますし、少し贅沢にカバンに展開してみるのも面白いと思います。
名だたるタンナーにおいて多くの「ブライドルレザー」を作られていますが、当社の「本ヌメ革のブライドルレザー」もご注目頂ければと思います。
本日はここまで。
また次回に。
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