山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
10月になって、めっきり秋らしくなってきましたね。皆さんの日々の装いも夏の軽い服装からジャケットやカーディガンなどの羽織物を着たりして秋のおしゃれを楽しまれているのではないでしょうか。
私自身、秋の装いとして思い浮かぶのは、スエード革などの起毛革の靴です。
表革(銀付き革)の光沢感に対して、落ち着いたマットな感じがあり、秋にはとても似合うアイテムだと思っています。皆さんはいかがでしょうか?
さて、この起毛革ですがよく耳にするものに「スエード」「ベロア」「ヌバック」といくつかありますが、なかなかこの違いが分かりにくいのではないでしょうか。という事で今回から3回シリーズで「起毛革」を紹介したいと思います。
第1回目はスエード革です。おそらく起毛革で一番よく耳にされる革の名前だと思います。
このスエード革ですが、その名前の由来は北欧の国「スウェーデン」から来ています。
「ガーント・ドゥ・スウェード〔gants de Suède〕(スウェード製の手袋)」と呼ばれるスウェーデンで考案された加工、技法を使った手袋がフランスで流行し、その製法を「スエード(フランス語 suède)」と呼ぶようになったそうです。
(※ちなみに英語でも「suede」と表記されるようですが、発祥元のスウェーデン語では「mocka」と表記されるようです。)
次にスエード革の素材と製法についてなのです。主には子牛皮、子羊皮、山羊皮から作られており、革の裏面(床面)をサンドペーパーで毛羽立たせ(バフィング)、ベルベット状に起毛させて仕上げた革です。(下図を参考にしてください)
このように本来のスエード革は内側が銀面になっていますので、別の起毛革と区別する際のコツとしてください。
スエード革の特徴は、子牛などの革を使っているので、毛足が短くキメが細かいという点です。特にカーフ(子牛革)などの繊維が細かい革を細かいサンドペーパーで仕上げたものは「シルキースエード」と呼ばれて高級品とされています。
革というと銀面を使うのが通例で、革製品作る過程でも裏側は布生地などを裏地にして見えないように加工される事が多いのですが、あえて逆転の使い方をしているという点で、とても面白い素材だと感じます。
本日はここまで。
また次回に。
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