山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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こんにちは。すっかり秋らしくなってきました。つい数ヵ月前までは、記録的な猛暑や危険な暑さというニュースが流れていたことが嘘のように感じる今日この頃です。
さて、今日は革製品を贈る記念日についてご紹介したいと思います。
今日、10月25日は、「サンクリスピンデー(Saint Crispin’s Day)」と呼ばれる革職人の記念日、革製品を贈る日なのです。
起源となったのは、3世紀のローマ時代に生きた聖職者クリスピヌスとクリスピニアヌスの双子の兄弟、クリスピン兄弟です。
このクリスピン兄弟は、革靴職人でした。また彼らはソワソン(現在のフランス共和国パリ北東部)で聖職者としてキリスト教の教えを説き、夜は靴を作るという生活を送っていました。貧しい人々のために革靴を無償で配布したというお話も伝えられています。しかし時のローマ皇帝の迫害により286年に殉教しました。死後、生前の行いが称えられ、キリスト教における靴屋や製皮・皮革職人の守護聖人サンクリスピンとなりました。
そして彼らの命日とされる10月25日を「サンクリスピンデー(聖クリスピンの祭日)」とされました。
このような背景から10月25日に、「末永く良好な関係を」という想いをこめて大切な人に革製品を贈る日として社会への浸透が期待される記念日です。(詳しくは、Saint Crispin’s Day 公式サイトhttps://stcrispinsday.com/ もご覧ください。)
皆さんも身の回りにいくつかの革製品をお持ちで、その中には大切な人からのプレゼントというものもあるのではないでしょうか。
革製品は手入れをし、時間が経つごとに色味などが深まっていくという趣がある品です。これは人と人との関係にも通じるものがあるようにも感じます。時間やお付き合いを重ねることで人との絆がより深まっていくというというように。
このように考えると大切な人へのプレゼントに革製品を贈るというのは、とても素敵な事だと私は感じます。
革製品というと革靴やバッグが代表的なところですが、私個人的には毎日手に触れてもらえるような財布や小銭入れ、キーホルダーなどの小さなものでも素敵な贈り物になるように思います。
また、こういった日にお持ちの革製品のメンテナンスをしてあげるというのも素敵な事だと思います。革製品はお手入れをしてあげることで、永く使うことが出来ますし、物によってはアメ色に変化する経年変化を楽しむこともできます。靴磨きをすることで、心がリフレッシュされるというお話も聞いたことがあります。(確か「夢をかなえるゾウ」水野 敬也(著)だったと思います。)
今はスマートフォンを介したメールやSNSなどで簡単に人と繋がれる世の中です。またブラスチックやビニール製品といった工業的で均一な製品が安価で手軽に入手できるようになっています。
こういった情報技術や高効率な製品づくりに恩恵を受けていることで私たちの生活は豊かになっていることは事実ですが、ときには時間の経過を楽しむという体験をしてみるのも素敵な事だと感じます。
10月25日、革製品を手に取って頂けましたら幸いです。
本日はここまで。
また次回に。
〔追記〕
山陽では、10月6日にTAANNERRというレザーアイテムブランドを立ち上げました。
そのファーストラインナップとして、1ヵ月間じっくりと植物性タンニンで鞣した本ヌメ革(フル植物タンニン鞣し革)を使ったレザーアイテム(鞄・財布・キーケース・名刺入れ)を揃えました。タンナーの技術と矜持(プライド)を詰め込んだ一品で、皆様の傍で永く使って頂けるものと自負しています。一度ご覧頂けましたら幸いです。
■TAANNERR ECサイト:taannerr.com
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