山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
今日、9月1日は「防災の日」ですね。
防災の日である9月1日は、「関東大震災」が起こった1923年9月1日にちなみ制定されたそうです。地震での揺れによる建物などの倒壊ももちろんですが、その結果として発生する火災はさらに恐ろしい事態を引き起こします。私たち山陽がある兵庫県では、1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災で285件の出火、火災による死者は559人という大きな被害が発生しました。
山陽では、皆さまに革という素材を「いかに安全に使って頂けるか」という取り組みを、多くのベクトルから進めています。
その一つに「難燃革」があります。今回は、この難燃革をご紹介します。
まず革自体は、もともと燃えにくい素材です。古くは火消しの防火着に利用されたほど火に強い素材なのだそうです。
山陽では、自動車用、鉄道車両用のシート及び内装部品の製品の品質規格である「JISQ9100認証」の取得をきっかけに本格的に難燃革の製造に取り組みました。(認証取得は2021年2月。約4年前から取得に向けた体制作りを開始。)
以下2点の難燃革は、「関西ラボラトリー」の燃焼試験(FMVSS水平燃焼試験)の規準をクリアしています。(試験についての詳細は、こちら(関西ラボラトリー株式会社WEBサイト)をご参照ください。)
レッドアイ スムース革の難燃耐火革です。 スムース革特有のさらりとした感覚が特徴的な革です。 |
タイタン ヌバック(起毛処理)の難燃耐火革です。 ヌバック特有の手に吸い付くような感覚が特徴的な革です。 スムース以外でも難燃革への加工は可能です。 |
天然皮革はもともと燃え難いという性質を持っているのですが、難燃革は炎の発生を抑制する効果があります。この技術は、火災発生によって極めて甚大な被害となる可能性が高い乗り物のシート等へ使用するためにヨーロッパ圏から発生・進化しました。
日本では、まだ難燃革の歴史は長くないのですが、山陽の難燃革は、神姫バス株式会社様の「観光バス”ゆいPRIMA”1号および3号バス」のレザーシートなどに使用して頂いています。(詳しくはこちらをご覧ください)
また防災という視点以外でも昨今楽しまれる方が増えているキャンプやアウトドア用品にも応用できる技術でもあるので、多くの方に知って頂ければと思います。
本日はここまで。
また次回に。
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