株式会社山陽

 

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絹革 ~なめらかに、やわらかく

今回は、山陽のレザープロジェクトから生まれた革、「絹革(KINU-KAWA)」を紹介します。

上の写真で見て頂きます通り絹のように滑らかな革をイメージして作られました。

その素材となっているのが、牛革の中でも最もきめの細かな「カーフ」(※)です。カーフは生後6ヵ月以内の牛の皮をなめして作られた革です。
生き物の毛穴の数などの皮膚組織は生まれて変化することがありません。そのため、仔牛の皮膚組織は最も密度が高く、きめが細やかなのです。

(※)現在、品質の良い革や食肉を得るために仔牛の時期に屠畜(とちく)することはありません。死産で生まれた仔牛や身体に障害(骨格が変形して生まれてしまった等)があり長くは生きられない牛の原皮を使っています。

開発のきっかけになったのが、「革の風呂敷ができないか?」といった発想でした。
もともと動物の皮は、身体を外界から守る為に包み込んでいるものです。それであれば日本で伝統的に使われている風呂敷をつくることで、アイコニックな商品になるのではないか?
プロジェクトの方向性が決まり、「絹革プロジェクト」が発足しました。

カーフ一枚の面積はちょうど風呂敷に合っていました。しかし現物にするためには生地のように結べるくらいに厚みを抑えて、究極に柔らかい革にする必要がありました。
山陽の技術陣が度重なる試行錯誤を繰り返し、ようやく目指す革「絹革」が完成しました。

一般的に革の特徴としては、「堅牢性」「自立性・安定性」があり、かばんや靴など多くの革製品はある程度の硬さを活かして、自立・安定した立体物が作られています。

今回ご紹介した絹革は、まったく逆の発想で「生地」としての革の活かし方を追求した一品です。
これだけ薄い革ですので皮革専用ミシンでなくても縫製が可能です。
また鮮やかな色に染め上げられる革を目指し、特殊な染色方法を施しベースとなる色は可能な限り“白い革”として作りました。

これまでの皮革の常識にとらわれない新しい革製品づくりにぜひ使って頂ければと思います。

2022年7月14~15日、兵庫県豊岡市で開催する「山陽レザー展示会」にも出品いたします。

7月20日以降に開催いたします「山陽レザー・デー」でも当社ギャラリーにてご覧いただけます。

お時間のある方はぜひお越し頂き、実際に手に取って頂ければと思います。

本日は、ここまで。

また次回に。


絹革にご興味を持っていただきました方は、お問合せページからご連絡ください。ご相談からでも問題ありません。お待ちしています。

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