山陽Letter
靴磨き選手権大会 ~革靴にかける熱き戦い
革の世界
山陽の読み物(NOTE)をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは、「革の匂い・香り」についてです。
革好きの方の中には、「革の匂いが好き!」という方が多くいらっしゃいます。
また反対に革があまり好きではない方の理由に、「革の匂いが苦手」と言われるかたもいらっしゃいます。
さて、この「革の匂い」と言われているものは、一体何なのでしょうか?
結論から言いますと、厳密には「革そのもの」の匂いではないのです。
ここで言うのは、元となる「原皮」から由来する匂いではないということです。
実は、原皮自体の匂いはそれほど強くはなく、これからご説明するものに比べると私たちの嗅覚を左右するものではありません。
それでは、何が革の匂いを決めているのかと言いますと、第一に「オイル」や「ワックス」などの油脂分なのです。そして続いて影響するのが、革の風合いや色の定着を助ける薬剤、塗料、仕上剤、そしてタンニンやクロム等の鞣し剤です。
つまり、革を作る過程で使用してきた材料の匂いなのです。
皆様も同じ「牛革」で、同じ鞣しの種類(タンニン鞣しorクロム鞣し)なのに、タンナーによって全く違った印象だと思われたことがあるのではないでしょうか。
これは、それぞれタンナーによって使う「オイル」「ワックス」などの種類や量が違っていることが大きく左右しています。
ちょっと興ざめしてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。(ちなみに私自身は、この事実を初めて知ったときに、ちょっと「がっかり感」がありました。。。)
やはり人の嗅覚は、印象を大きく左右するものであると感じています。山陽の工場見学時に、参加者の方を革の展示会場にご案内すると、「革の匂いがする」という言葉がしばしば聞かれます。それだけに、この匂いも含めて「革の証」であると感じて頂いているのだなと感じます。
今回も一般的に認知されている常識と実際との差についてお話ししてきました。このような革の知識も知っていただき、さらに奥深さを感じていただけましたらと思います。
それでは、本日はここまで。
また次回に。
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