山陽Letter
【山陽レザー】#005 サバナオイル/サバナワックス
革の世界
山陽の読み物(NOTE)をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは、「革は何色?」です。
多くの方が、『革・レザーの色って、茶色っぽいベージュ色じゃないの?』と感じられているのではないでしょうか。実は、これは革が作られていく過程での結果なのです。
それでは、ちょっとディープな革の世界を楽しんでください。
革・レザーの元である「動物の皮(原皮)」は、実は「白」なのです。
下の写真は、なめされる直前の「皮」です。
このように少し乳白色っぽい「白色」をしています。
想像してみると当然かもしれません。私たちの皮膚の部分も、動物の皮膚を思い描いて頂いても白いですよね。もともとタンパク質から出来ているコラーゲン繊維なのですので、当然かもしれません。(※私たちの皮膚が日焼けによって褐色になるのは、紫外線の防御反応としてメラニン色素が分泌される為だそうです。)
なめされていない皮の代表として「太鼓の皮」があります。これは白い色をしていますよね。
(なめされていない皮について、詳しくはこちらの読み物(NOTE)をご覧ください。)
このように「元をたどれば白」なのです。
革がベージュ色というイメージは、「タンニンなめし革」から来ているのではないかと私は感じています。
革の伝統的な鞣し方の一つに「タンニンなめし」があります。これは、木の樹液などに含まれている「タンニン」(渋やポリフェノールとも呼ばれます)を原皮に含ませて作る革ですが、このタンニンが薄い茶色であるため、鞣し後の革は「ベージュ色」になります。
この革の色が、私たちが感じる「革の色」として認識されるようになったのではないでしょうか。
私たちが身近に感じる「ベージュ」や「茶色」の革が作られるタンニンなめしは、革の生産量のうち約2割り程度で、ほとんどは「クロムなめし」という鉱物を使ったなめしで作られています。
このクロムなめしを行った直後の革、できたての革は下の写真のような「水色」をしています。
これもなめし剤であるクロムが深い緑色をしており、これが革の繊維と結合することで、このような水色になるのです。
この水色から、染色・塗装によって様々な色の革になっていきます。そういった意味では、私たちが使っている革のもともと色は水色と言えるかもしれませんね。
このようにもともと白い原皮から「なめし」という工程を経ることで色が付いていくという事をご説明してきました。
革のなめし方には、今回ご紹介しました「植物タンニン」「クロム」以外にも多くの種類が存在します。そのため、なめし方によっては違った色になることもありますし、白を保ったまま「革」にすることも出来ます。
いかがでしたでしょうか?
私自身、「なめされる前の皮は白い」という事をはじめて知ったときには驚いたのと同時に、「常識」と「実際」との違いに興味深さを覚えました。
それでは、本日はここまで。
また次回に。
CONTACT
革の製造をご依頼の方はこちらから。
その他、レザーにまつわる、さまざまな
お問い合わせを受け付けております。
メールでのお問い合わせ