山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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山陽の読み物(NOTE)をご覧いただきましてありがとうございます。
今回は、先日開催されました世界最大級の皮革見本市「LINEA PELLE(リネアペレ)」の視察レポをお届けします。
まずLINEA PELLEについてご存じの無い方もいらっしゃるかと思いますので、概要をご説明します。
LINEA PELLEは、イタリアのミラノで年2回開催されます。
世界中のレザー(素材)、レザー製品材料(靴底、金具、ジッパーなど)から合成皮革までが幅広く集まる見本市です。例年、出展企業は1000を超え、来場者数も約2万人とその規模の大きさをうかがえます。
また私たちと同じ革づくりを行うタンナーとしても、最新のトレンドの発信場として注目しています。
さて、今回ご紹介するLINEA PELLE 2025 Spring/Summerは、2024年2月20日~22日の3日間で開催されました。開催場所は、FIERAMILANO RHO(フィエラ・ミラノ・ロー)です。このFIERAMILANO RHOは、2005年に建築家マッシミリアーノ・フクサスが設計した見本市会場の複合施設で、ローとペーロの町の境界に位置しています。その巨大さ、外観の美しさもさることながら、会場内部の機能性や人を飽きさせないデザイン・エンターテインメント性にも溢れています。
少し前置きが長くなってしまいましたが、開催当日のレポです。
3日間を通して視察しましたが、2日目が最も人出が多い印象がありました。
日本からもハシモト産業様などのブースが出展されており、日本のレザーも展示していました。
ヨーロッパの国々からの来場者が多く、アジアからは中国を中心した来場者が多い印象ですが、過去の展示会に比べると減っているようにも感じられました。
タンナーのブースについて減少傾向がみられ、今まであったところが出展されていない等といった所も見られました。
それに対して、ルイ・ビトングループであるタンナー8社(GBJM、HENG LONG、JADE GROUPE、MONDE、NUTI IVO GROUP、RIBA GUIXA、TANNERIES ROUX、VERDEVELENO)は、巨大なブースを構えられていたことが印象的でした。
色の傾向については、自然なアースカラーをイメージされたのか、どちらかというとくすんだ感じの傾向が多く感じられました。グレーピンク、濃紺からブルー、エメラルドグリーン、ヒマワリのイエローやサンゴの暖色系でも艶感はマットな傾向を感じました。
また、ガラスレザーやエナメルレザーなども多く見られました。ソフトタイプのレザーが多くを占めている印象も強く感じました。あと特色のあるところではアドバンレザーが目に留まりました。(アドバンを落とす加工をしたものもあった)
その他にもレザーをインテリア素材とした展示も行われていました。
全体的な印象として、革らしさもさることながらレザー(天然皮革)のすそ野を広げて余すところなく命を活かしていくというスピリットが世界中の皮革業界に浸透し、トレンドにも反映されてきているように思われます。
まだまだ語り尽くせていないところではありますが、少しでも世界的なレザー産業の最前線の雰囲気を感じて頂けましたら嬉しいです。
それでは、本日はここまで
また次回に。
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