山陽Letter
靴磨き選手権大会 ~革靴にかける熱き戦い
革製品について
革製品のお手入れ方法について、数回のシリーズでお話ししたいと思います。
今回は、その基礎編です。まずは入口として基本的な点をご説明させて頂ければと思います。
新年度に入って、入学や就職、昇級のお祝いで靴・財布・かばんなどを貰ったという方もそろそろ「お手入れ」が気になるタイミングかもしれませんね。
さて、私からおススメしたい点は5つです。
私自身いくつも革製品を持っていて感じたのが「使うことが一番のメンテナンスである」という事です。
頻繁に使ってあげることで、人の手から適度な脂分や刺激が与えられると共に、空気にも当たります。また使ってあげていることで、傷みや異常にも早期に気づいてあげることもできます。
「せっかくの革製品だから、もったいないから、特別な時にだけ使うようにして普段はしまっておこう」としてしまうと、いざ使うときカビが生えていたり、箱にあたっている部分が変形や色落ちしてしまったりと残念な事が起きてしまうかもしれません。
せっかくの革製品なので、しっかりと使ってあげてくださいね。
これは使うたびにクリームでお手入れしてくださいという事ではなくて、例えばホコリ等が付いていたと気づいた、その時にブラシなどで払ってあげる感じでいいと思います。(ブラシが無い場合は手で払ってあげるという応急処置でもいいと思います。)またホコリが取れた後に柔らかめの布で乾拭きしてあげるとなお良いと思います。ポイントは、「後でやろう」ではなく、簡単な処置でいいので気づいたときにするという事です。
「新しいうちは何もしなくてもいいや」ではなく、新しいうちに一度薄くクリームを塗って栄養を与えておいてあげることをお勧めします。新しいうちに革の表面に保護膜ができるので、後のお手入れも簡単になるのと、キズや汚れを緩和してくれます。
※クリームの種類について、また後日ご説明したいと思います。
お手入れをしよう!という時には、頑張ってクリームやオイルを厚塗りしてしまいがちです。(私もそうでした。)
しかし、革に浸透する以上のクリームやオイルを塗ってしまうと、べたついて逆に革を痛めてしまうことがあります。表面がべたつかないように、少し「薄化粧かな」と思うくらいの方がちょうど良いことが多いです。
また回数も、あまり頻繁にではなく脂分が切れてカサついてきたかなと感じた時に、必要分だけ足してあげるという形が良いと思います。
「①使ってあげること」は重要な事なのですが、とは言えずっと休みなく使ってしまうと革に与える刺激が強すぎて「疲れて」しまいます。ですので、適度に休ませてあげることも重要です。例えば、靴であれば毎日同じ靴を履くのではなくて、週に何日かは別の靴と交代で履くなどです。「お休みの日」を作ることで長持ちしてくれますよ。
それぞれの革製品ごとや革の種類、加工方法によって細かく異なる点はありますが、まずはこれらの点を抑えて頂ければと思います。
本日は、ここまで。
また次回に。
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