山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
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山陽の読み物をお読みいただきましてありがとうございます。
いつもは広報担当の「わたし」から革にまつわるお話や山陽での出来事などをお話させて頂いています。
今回のシリーズ「社長に聞く」では、少し趣きを変えて当社 株式会社山陽の代表取締役社長 戸田健一に皮革産業の取り組みや課題、そして山陽のこれからについて聞いてみたいと思います。
第1回目のテーマは「レザーとサステナブルの関係①」です。お楽しみください。
株式会社 山陽 代表取締役社長 戸田 健一(とだ けんいち) |
生年月日:1972年2月25日 出身:兵庫県姫路市 <略歴> 1995年 入社。 2015年 執行役員業務部長就任 2021年 代表取締役社長 就任 <役職> 日本皮革産業連合会 理事 日本タンナーズ協会 理事 姫路経営者協会 理事 |
皆さんの身の回りにある革は、大きく2つに分類されます。それは、天然素材である本革(天然皮革)と人工的に作られた合成皮革・人工皮革です。最近では合成皮革製造の技術向上により革を見慣れていない方にとって、すぐには見分けがつかないかもしれませんが、これら2つは全く違うものです。私たち山陽が作っているのは、天然皮革であり、本来の意味で革と呼ばれているのはこちらです。
天然皮革 | 合成皮革・人工皮革 |
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山陽が作っている革は牛革であり、牛の皮を原材料としています。元となる皮を皮革業界では「原皮」と呼んでいます。この原皮は、いわゆる肉牛の皮を使っています。つまり私たちが食肉として頂いた後の「皮」を「革」に加工しています。
「革を作るために牛を殺す」という誤った捉え方をされた情報を目にすることがありますが、牛革を作るために飼育されている牛はおらず、私たちの食生活を支えてくれている牛の「皮」の部分を頂いており、いわば副産物です。
まず思い描いて頂きたいのが、「人間はいつから革を作ってきたのか?」です。
諸説あるため明確な時期を特定することは難しいものの、古代エジプト文明とも古代メソポタミア文明とも言われています。つまり文明が始まった時から使われてきた素材です。
何故だったのか?それは生活に密着した素材だったからではないかと私は考えています。生きていく為に狩猟を行い、食料を得て命を繋ぎ、そこで発生した皮の部分から衣服や日用品を生み出していくというシンプルな生活サイクルの中にあった。
ずっと人類の生活循環の中であった素材が革・レザーであると考えます。
ですので、「サステナブル(持続可能な社会)」を考えるときに、もともと生活循環の中で生み出されてきたレザーがサステナブルと考えるのは、自然な事ではないでしょうか。
私はそのように考えています。SDGsの考え方に沿うと、持続可能な生活循環の中にある素材と言えると考えます。
そしてそれは今、私たちが抱えている環境問題の解決案の一つとなる可能性があるのではないかと考えてもいます。
この点については、次回に詳しくお話ししていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
次回は、社長に聞く「レザーとサステナブルの関係②」をお届けする予定です。
また戸田社長はインスタグラム(https://www.instagram.com/sanyo_toda/)でも、定期的にご自身の発信を行っています。
ぜひこちらもご覧ください。
では、また次回に。
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