山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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山陽の読み物をお読みいただきましてありがとうございます。
今回は、11月19日に第1回目をアップしましたシリーズ「社長に聞く」の2回目をお届けします。テーマは前回に引き続き「レザーとサステナブルの関係」です。
お楽しみください。
前回の続きからお話ししましょう。革づくりが持続可能な生活循環の中にある素材と考えている事、革の元となる原皮は私たちの食生活を支えている肉牛の一部であることをお話ししました。
ここで思い描いて頂きたいのが、「もし動物の皮をレザーとして活用しなかったら、どのようになるか?」です。
牛の場合は皮の部分は厚く食用にはなりません。そうなると「廃棄物」として扱わなければならなくなってきます。私たちは「動物の皮を廃棄処理する」ということを行わなければなりません。
そこで廃棄するものを減らし、活用するという考えから、私たちの祖先は「鞣し」という化学変化を発見し、動物の皮も日用品に生まれ変わらせたのだと考えています。
※牛の皮は上質のコラーゲン(タンパク質の繊維)から成るもので、同等もしくは超えるものを私たちは人工的に作り出すことはできていません。
はい、そうです。
前項でも申しましたとおり、食生活の過程として動物の皮は発生します。この皮を革(レザー)にすることで、確実に廃棄物は低減しています。
もし動物の皮を廃棄した場合を考えてみましょう。
牛の場合、皮は身体の約8%の重量になると言われています。牛1頭の体重は約700kgですので、1頭あたり56㎏の重さがあります。(「畜産物流通調査」(農林水産省)およびFAO統計より)
また1年間に、と畜される牛の数は、2019年の統計で日本で約104万頭、世界で見ると約3億頭となっています。(そうすると日本で約5.8万トンの、世界では1,680万トンもの廃棄物が発生してしまう計算になります。)
これだけの廃棄物を処理することは、現実的ではないと感じます。
また牛の皮の約65%は水分であるため、焼却処理を行うには大量の燃料を必要とし、それに伴い大量のCO2が発生します。もし埋め立て処理を行った場合でも、大量のメタンガスが発生し、現在問題になっている温室効果ガスと呼ばれる「二酸化炭素」「メタンガス」を生み出してしまう結果となります。これらを踏まえて考えると革を作ることで私たち人類は、廃棄物削減、温室効果ガスの削減に自然な形で取り組んできていたと言えるのではないでしょうか。
ありがとうございます。
おそらくこの記事を見て頂ている方の中には、革を作る工程についてのサステナビリティーをお知りになりたい方もいらっしゃるかと思います。
この点については、少し詳しい内容をご説明することとなりますので、次回に引き継がせていただきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
次回は、社長に聞く「レザーとサステナブルの関係③」をお届けする予定です。
また戸田社長が発信するインスタグラム(https://www.instagram.com/sanyo_toda/)もご覧ください。
本日はここまで。
では、また次回に。
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