山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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こんにちは。山陽の読み物をお読みいただきましてありがとうございます。
前回の「社長に聞く Vol.2 ~~タンナーの環境への取り組み②」はいかがでしたでしょうか。
今回も、その続きです。山陽レザーを作る為に必要不可欠な「水」についての山陽の社長、戸田に聞いていきます。お楽しみください。
この姫路の地に「革づくり」が発展してきた背景に“豊富な水”というものがあります。私たちの工場がある姫路市東郷町や皮革工場が数多く並ぶ高木地区などのすぐ横には、市川という2級河川が流れています。兵庫県の北部を源とし、古来より物流や産業を支えてきた貴重な河川です。この市川があったからこそ姫路の革づくりが発展してきたと言えるでしょう。
さて当社の工場を見学された方は感じられるかと思うのですが、革づくりの前工程にあたる部分では、大量の水を使用します。牛1頭分の革を仕上げるのに使用する水の量は、約1トンとも言われています。それだけ水というものを必要とする産業なのです。
その為、私たち山陽は、水の扱いを重視しています。まず当社が工場で使用する水は全て地下水を使用しています。
そして私たちが最も気をつけている事の一つに「排水処理」があります。山陽では自社内に浄水設備を持ち工場の排水を集中的に処理し、川や海ではなく下水として排出しています。もちろん自社内の浄水設備により下水として流せる水質に戻しています。また浄化により発生する汚泥等は分離し乾燥処理したものを産業廃棄物として最終処理して頂いています。これもすべて、姫路の歴史ある革づくりを絶やさないための取り組みと考えています。
上記で多くの水を使用することをお話ししました。革づくりにおいて、現段階で多くの水を使用しているのですが、今多くのタンナーおよび技術機関が「節水」という課題に取り組んでいます。私たち山陽も、今後2030年までに、多くの水を必要とする準備工程・鞣し工程において、技術的に節水が可能な製造方法を確立する事を目標として取り組んでいます。
難しい課題ですが、これからもMade in Japanの革、Made in Himejiの革の歴史を絶やさず、皆さまに届けていく為に取り組んでいきます。
いかがでしたでしょうか。
次回は、「社長に聞く Vol.2」の最終回をお届けする予定です。
今回のテーマの完結になります。こちらもご覧ください。
では、また次回に。
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