山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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山陽の読み物をお読みいただきましてありがとうございます。
2回にかけて、シリーズ「社長に聞く」のVol.4「アニマルウェルフェアという観点から」をお送りしています。
今回は最終回です。私たちタンナー(製革業者)ができる事、するべき事は何なのか。私たちが考える命との向き合い方とは。
「アニマルウェルフェアという観点から」の2回目をお楽しみください。
前回、アニマルウェルフェアについてのお話を進めてきましたが、それと深いつながりを持つのが「トレーサビリティ」です。
昨今、多くの食料品や原料について「トレーサビリティ」が重要視されてきています。
この商品の原料は、どこのものなのか?どのようなルートで自分の手元に届いたのかなど消費者が細かな情報まで「知りたい」という要求が強くなっています。
このような風潮を受けて皮革業界でも一部企業では、革から原皮ソースまでのトレーサビリティを管理しようとしています。私たち山陽も現在取り組んでいます。
その大きな目的の一つに、使っている原皮が正しい飼育環境で育てられ出荷されたものなのかを知ることで安心して皆様に革を提供していくという事があります。
まさにアニマルウェルフェアと直結した活動であり、エシカル消費であると自負しています。
この「アニマルウェルフェアという観点から」の最後にお伝えしたい事は、「命を大切にする」という事です。
私たちは、動物達が提供してくれているお肉や皮などから、豊かな食生活や文化的な生活を享受していることは事実です。
その動物達への負担をできる限り軽減していくという取り組みは、重要なことだと考えます。
しかし他方で、食肉文化が続く限り「命を頂く」という事実は避けられないという現実は変わりません。私たちは、命を頂くという現実から目を逸らさずに、最大限活かすという活動によって「命を大切にする」ということを具体化していくことができると私は考えています。
「革づくりは、命を生かすこと」であると。
ともすれば、私たちは「命を頂く」という行為の重みに耐えられず、目を背ける、避けて通ってしまうことがあります。しかし、真に命を大切にするという事は、向き合い、生かすことであると私は思うのです。
私たちが、月に1回行っている「山陽レザーデー」という工場見学イベントでは、製革の工程を見て頂くとともに、「レザーは動物達からの贈り物(Gift)です」という言葉とともに命を大切にしましょうと呼びかけています。
この文章を読んでくださっている読者の皆様におかれましては、こういった視点とともにレザーを愛好して頂けましたら、こんなに嬉しいことはありません。
いかがでしたでしょうか。レザーが食肉の副産物である事、そしてその事実を理解した上でさらに考えていくべき事という大変重い命題について取り上げました。少しでもご記憶に残りましたら幸いです。
シリーズ「社長に聞く」は継続していく予定です。また別のテーマでお会いしましょう。
本日はここまで。
では、また次回に。
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