山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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みなさんの身近に「山陽レザー」では、当社の革が使われている商品をシリーズでご紹介しています。
今回は、インテリア素材としての山陽レザーの活用です。活用くださっているのは、リノベる株式会社様が展開されているデザインシミュレーションツール『sugata』でのテイスト「skin」です。
とても素敵なインテリア・テイストです。革好きな方はもちろん、おしゃれなインテリア好きな方もぜひ最後までご覧くださいね。
今回、私たち山陽にとっては初めてのコラボレーションとなったのですが、インテリアとレザーというのは、とても相性のよい組み合わせなのです。
ヨーロッパでは、紙を素材とした「壁紙」が一般的になる以前、中世ヨーロッパで王侯貴族の城館の壁、天井などは、革を使った装飾が施されていたそうです。
ドイツのカッセル市にある壁紙博物館では、ヨーロッパの壁紙は今から700年ほど前に、皮革工芸品の日本で言う金唐革を壁に張ったのが始まりだとされているそうです。(一般社団法人 壁装研究会 WEBサイトより)
またイタリアのフィレンツェでルネッサンス期(1470年頃)の壁の装飾用にも金唐革が使われていたとも言われています。(皮革用語辞典より)
このように革をインテリア素材として使うという歴史は古く、華麗なデザインとともに当時の上流階級の人々を中心に愛好されていたようです。
レザーをインテリアに使っていくのは、“原点回帰”と言えるのかもしれません。
改めて『sugata』についてご説明させていただきます。
sugataは、全国的に住宅やビルなどのリノベーションを提供されているリノベる株式会社様が、お家のリノベーションを検討されている方々が、WEB上でシミュレーションできるシステムです。パソコンやスマートフォン、タブレットを使って楽しみながらデザインイメージと費用をシミュレーションすることができ、「自分らしい、素敵な暮らし」へとサポートしてくれます。(詳しくは、sugata公式サイトをご覧ください。)
こちらのデザインの一つに、革を使った、テイスト「skin」があります。
こちらのデザインでは、玄関の壁材・収納棚の表面材、各ドアの表面材、リビングの天井・床・棚材・カウンターの表面材など多くの箇所にレザーをお使い頂いています。
こちらのレザーを使ったインテリア素材ですが、革の持つ素材感や美しさ以外にも注目頂いた点があります。それは、『サステナビリティーへの配慮』。
革自体がサステナブルな素材なのですが、テイスト「skin」の中には、革の端の部分やシワなどがあり一般的な革製品の素材としては避けられる事が多い部分をあえて有効に活用し、デザイン性を高める「要素」へと昇華して頂いているものがあります。
例えば玄関の壁材です。革のエッジにあたる端材は、厚さや形の不均一さから使われないことも多いのですが、ランダムに重ね合わせる事でイレギュラー・デザインの壁素材として住空間のアクセントとして活用頂いています。
こちらのテイスト「skin」の詳しい内容につきましては、sugataのインスタグラム投稿〔リンク〕でもご覧いただけます。
インテリア素材として革を使って頂く “利点” をいくつかご紹介したいと思います。
皆さんの身の回りにも長い間使っている革製品があるかもしれません。例えば財布やカバン、靴など。
いわゆる本革を使っている製品は、長持ちするという事を体感されたことがあるのではないでしょうか。メンテナンスは必要なのですが、手入れをすることで10年以上、損傷や経年劣化することなく使用頂くことができます。
当社には、半世紀以上前に作られた革も保管されています。
レザーの大きな楽しみの一つにエイジング効果(経年変化)というものがあります。
時間が経つごとに日光や空気などに触れる事で、飴色へ変化し、艶が出てきます。
今回、テイスト「skin」に採用頂いていますのは植物タンニンで鞣されたヌメ革で、革の中でも最もエイジング効果を感じて頂ける素材です。
これまでご紹介しました2つの特徴を併せ持つことで、育てていく楽しさを感じて頂けるのではないでしょうか。レザーはそのままでも一定の耐久性・経年変化が起こるのですが、定期的にブラッシングして、オイルなどの脂分を入れてあげることでより一層変化を楽しむことができます。またレザーに耐水性も与えることができますので一石二鳥です。また、レザー特有の色の変化や光沢感は必ず同じものになることはなく、あなたのオリジナルです。住み続ける中で、あなたと共に育っていく感覚を実感して頂けるとうれしいです。
山陽のレザーは全て食肉牛の副産物である原皮から作られています。つまり革を作るために動物の命を取るという事はありません。むしろ私たちの食生活の中で一定数発生してしまい、何もしなければ廃棄されているものを「革」としてアップサイクルしている非常にエコロジカルな活動と言えます。
また今回採用頂いていますのは、ミモザという植物から抽出されたタンニンで鞣された植物タンニン鞣し革です。
デザインシミュレーションツール「sugata」のテイスト『skin』をご紹介させていただきました。
この回の読み物を書いている中で冒頭にて紹介しました「金唐革」、そしてテイスト『skin』、いずれも植物タンニン鞣し革が使われているという共通点を発見しました。
洗練された住空間の中にも、有機的な天然の物を取り入れたいというのは、私たちの自然なフィーリングなのかもしれません。
ぜひインテリア素材としてのレザーにもご注目頂けましたら幸いです。
最後にさらに詳しい情報についてご紹介します。もしよかったらこちらもご覧ください。
・デザインシミュレーションツール『sugata』公式インスタグラム
https://www.instagram.com/sugata_renoveru/
・デザインシミュレーションツール『sugata』公式インスタグラム テイスト『skin』
https://www.instagram.com/p/Cs-3T1ZBz48/?igshid=MmJiY2I4NDBkZg==
・デザインシミュレーションツール『sugata』公式サイト
https://www.renoveru.jp/lp/sugata
・リノベる株式会社公式サイト
https://www.renoveru.jp/
・読み物「タンニンなめしとは(1) ~タンニンって何?~」
https://sanyotan.co.jp/note/vegetable_tanning_01/
・読み物「タンニンなめしとは(2) ~タンニンって何?~」
https://sanyotan.co.jp/note/vegetable_tanning_02/
・読み物「今さら聞けない「ヌメ革」って何?」
https://sanyotan.co.jp/note/numegawa/
本日は、ここまで。
また次回に。
(ご注意)
山陽コーポレートサイトに掲載されています写真および画像素材の2次利用は、ご遠慮頂きますようお願いいたします。
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