山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
革製品について
こんにちは。
気が付くと3月の下旬ですね。(毎年1月~3月は、特に時間が経つのがとても早く感じてしまいます。)
さて、もうすぐ4月です。来月から新しく進学される方やお子様が学校に入学されるという方も多いかと思います。その中でも特に印象的なのは、初めての学校、小学校への入学のタイミングかなと思います。真新しいランドセルを背負って入学式を迎えられる新1年生の皆さんを見ていると、毎年微笑ましく感じます。
この小学校入学に切っても切り離せない『ランドセル』。このランドセルに感謝の気持ちを表す日が制定されています。
昨日の3月21日がランドセルの日でした。
ちなみに『ランドセル』は、日本にどのように入ってきて、学生の鞄として使われるようになったのでしょうか。
関連する情報を繙くと、ランドセルが日本に導入されたのは、江戸時代の幕末にオランダからもたらされたバックパック「背嚢(はいのう)」だったようです。
オランダ語の呼称である「Ransel」(「ランセル」または「ラヌセル」)がなまって「ランドセル」になったと言われています。
導入当初は幕府の将兵が携行物を収納するための装備品として使っていました。
私たちに馴染み深い通学用の鞄として使われ始めたのは、学習院初等科が最初とされています。学習院では「教育の場での平等」という理念に基づき馬車・人力車での通学は禁止され、学用品も生徒が自分で持って登校していました。
1887年(明治20年)には、当時皇太子であった嘉仁親王(後の大正天皇)の学習院初等科入学の際に初代内閣総理大臣の伊藤博文が祝い品として箱型の通学かばんを献上し、これがランドセルの始まりとも言われています。
その後、黒革を素材とした箱型の“学習院型”として統一され、徐々に全国へ浸透していったと言われています。
それでは、何故3月21日なのでしょうか。
ランドセルは、小学生の6年間という長い間使われます。
3月21日の数字をすべて足すと、「3+2+1=6」となり、小学生の修業年数である6になります。また3月21日は卒業式を迎える期間にあたり、この日に6年間お世話になったランドセルに「ありがとう」という感謝の気持ちを持って欲しいという事で制定されたそうです。
ランドセルは、6年間使い続けられるように「6年保証」がつけられたものが多く、製造されている鞄メーカーや職人の方々、そして私たちの様に素材を作るメーカーも神経を使う商品の一つです。
ですがその反面、人生で大切な一品を作るという達成感は、それ以上のものがあります。それに最近では6年間の役目を経たランドセルの素材から財布やポーチ、小さなランドセル型のチャームなどにリメイクして使い続けているという方もいらっしゃると聞きます。
「物を大切にして、長く使う」。個人的には、こういった行動こそが本当の意味でのサステナブルに通じるように感じますし、私たち山陽のレザーもその一助になればと思っています。
それでは、本日はここまで。
また次回に。
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