山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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今回は、タンナーの現場で使われている道具についてご紹介します。
革を販売しているお店(レザーショップ)や革の即売会や展示会などで、こんな形の金具を見たことがあるかもしれません。
この金具の名前は「タンナーズフック」と言います。
その名の通り「タンナー(製革業者)」が使う「フック(留め金)」です。
革を作る工程の中には、水分を含んだ革を乾燥するという作業があります。
水分を含んだ重い革を「ピン」と張り、引き延ばしながら乾燥させるためには、しっかりとホールドして、大きな力にも耐えられる丈夫な金具が必要になりました。
そのために開発されたのが、このフックです。
とても特殊な形状で、唯一無二な感じを醸し出しています。素材はアルミダイカスト(アルミニウム合金)で、鈍い銀色は車やバイクのエンジンを連想させる質実剛健さがあります。
革をホールドする歯の部分は、下側への引っ張りが強くなるほど閉まっていく構造になっていて、一度挟まるとずり落ちません。
タンナーでは、以下の写真の様に、重い革を2か所だけで数日間吊るし続けることもありますが、その間にフックから滑り落ちてしまうという事はほぼありません。
本当にタンナーの「小さな力持ち」です。
いつか、この「小さな力持ち」も注目される日が来たらいいなと思う今日この頃です。
それでは、今回はここまで。
また次回に。
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