株式会社山陽

 

NOTE

極厚ヌメ革の世界

こんにちは。
今回は、かなりディープな革のお話しです。

まずはこちらの革をご覧ください。山陽が取り扱っている「極厚のヌメ革」(フル植物タンニン鞣し革)です。
厚さが平均で6mm以上、一番厚い所では、6.5~7mmもあるという革です。

私たち山陽が取り扱う革の中でも、群を抜いた厚みがあります。

こういった革は靴底用やベルト用など堅さ、強さ、型崩れのし難さを求められる革製品に活用されます。また、キーホルダーやカービングなどに使用される方いらっしゃるかもしれませんね。
※特に背中部分にあたる「ベンズ」が靴底用、ベルト用に使われています。

さて、こちらのような極厚ヌメ革には、他の革と違って特殊な “世界” があります。
それは、「重さで取引される」ということです。

主に靴底用に使われる場合なのですが、1kgあたり○○○円などという販売表示になる場合があります。

これまでの読み物(NOTE)では、「革は面積で取引される。日本ではデシ(デシ平方センチメートル)で、海外の一部ではスクエアフィートです。」とご紹介してきました。
そこから考えると、「なぜ?」と思われるかと思います。(正直なところ、私も初めて知った時は、驚きました。)

革の厚みが4mmを超えるようになると、重さでおおよその面積が決まってくるようなのです。そのため厚い革の場合は、革の厚さを表記した上で、重さを単位として価格表示されるようなのです。(日本ではkgが一般的で、アメリカではポンドやオンスも使われると聞きます。)

重さで取引される理由について、明確な根拠は見つけられなかったのですが、厚い革になればなるほど革に浸透するタンニン(鞣し剤)の量は多くなります。そのため重量も原皮の厚さだけでなく、浸透したタンニンの量だけ重くなります。
つまり「厚くてしっかりと鞣されているヌメ革は、重くなる」という点に着目しているように思われます。(私の推察ですが)

山陽の「極厚ヌメ革」も、通常のヌメ革(厚くても4mm以下)の2倍の鞣しの時間がかかります。
具体的には、通常のヌメ革はタンニン液を満たした『ピット槽』に漬けこむ期間が約1ヵ月であるのに対して、その1.5倍の期間(1ヵ月半~2ヵ月弱)を要し、多くのタンニン成分が含浸しています。(とても重いです!)

今回は、とても珍しくて深い、革のお話をご紹介しました。

本日は、ここまで。

また次回に。


山陽では、今回ご紹介しました6mmを超えるピットヌメ革(本ヌメ革)を取り扱っています。このような「極厚のピットヌメ革」を取り扱うタンナー(製革業者)は日本でも限られています。

極厚のヌメ革を必要とされている方、ご興味のある方は「お問合せフォーム」からご連絡ください。ご相談からでも結構です。お待ちしています。

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