山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
革製品について
こんにちは。
シリーズでご紹介しています「靴について」の番外編で「靴の装飾」についてお話ししたいと思います。
基本的な紳士靴、婦人靴の形や部位については、これまでご紹介してきました。
(まだお読みでない方は、よろしければ、こちらをご覧ください。「靴について① ~靴の部位」「靴について② ~紳士靴の形」「靴について③ ~婦人靴の形」)
これらの中でご紹介できず、私として心残りだったのが、紳士靴のつま先(フロント部分)のデザイン、婦人靴のヒールのような特徴的な装飾についてです。
靴を選ぶ際には、必ずと言って良いほど話題に上るのではないでしょうか。
ぜひこの機会に再確認して頂ければと思います。
まずは、紳士靴の装飾についてです。
つま先(トゥー部分)に装飾がないものです。
装飾が無い分、利用シーンが広がり、シンプルな美しさも持ち合わせています。
つま先革から履き口方向に縦方向の縫い目が施された靴です。伝統的な紳士靴に見られるデザインのひとつです。縦方向の縫い目は足を長く見せるという視覚的な効果もあります。
羽根の部分からつま先部分にかけて2本のラインの入っている靴です。「スワールトウ」、「ツーシーム」とも呼ばれています。2000年代にドレスシューズのデザインとして流行しました。
つま先の革の切り替えが一文字飾り(ストレート)になった靴です。イギリスのクラシックなデザインです。ウイングチップよりさらにドレッシーな印象を持っています。
U字形の革片(チップ)を甲部分に用いて切り替えた用いたデザインの靴です。カントリーシューズや狩猟用の靴、ゴルフシューズ等のアクティブな用途で使われる靴に多いデザインです。
1枚の革を使って足を包み込むような構造の靴です。モカシンの名前は、甲部分のU字の縫製方法(モカシン縫い)に由来しています。堅苦しくなく軽すぎない。使いやすいカジュアルシューズです。
甲の部分に、フリンジのようなキルトが装着されている靴です。もとは「泥除け」の用途として使われていたキルトですが、現在は装飾パーツとしての要素が大きくなっています。
甲の部分にタッセルと呼ばれる房飾りが付いている靴です。ローファーやスリッポンに多く見られます。
足の甲に金属アクセサリーがついた靴のことです。金属アクセサリーがある革靴は珍しいため、非常に個性的でエレガントな印象になります。
つま先の革片(チップ)が、翼のような形をしている靴です。クラシックな印象を演出するのに適しています。
メダリオンとは、特につま先部分に小さな穴をたくさん開けた装飾で、主にウイングチップの靴に施されたものが印象的です。もともとは、湿った空気や泥水を発散する為に考案されたものでしたが、現在では装飾手法として定着しています。
続いて婦人靴のヒールについてです。
付け根が太く、途中で細くなったヒール。ルイ15世の時代(18世紀)に流行した事からこの名前がつけられた。
接地面に向かって広がっていく形のヒール。
後部が垂直に近く付けられていて、重心が後にずれるような形状をしたヒール。 別名バックステップヒールとも言われる。
付け根は太く中ほどでくびれ、接地面に向かって再び太くなるヒール。 「ルイ」と類似している。
くさび形のかかとを持ったヒール。つま先は低く、かかと部分が高いという特徴がある。
ヒールの中でも低く平らなもの(2cm以下)のもの。安定感がある
<参考資料・図の引用元:レザーソムリエ公式テキスト(日本革類卸売事業協同組合 発行)>
※レザーソムリエについてはこちらをご参照ください。
いかがでしたでしょうか。
今回で靴についてのお話は一段落です。
ですが私自身、改めて「靴」というものの情報量の多さに驚いています。
人にとって、実用面・装飾面ともに大切なものだと改めて感じました。
また別な視点から皆様にご紹介できればと思います。
本日は、ここまで。
また次回に。
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