山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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みなさんの身近に「山陽レザー」では、当社の革が使われている商品をシリーズでご紹介しています。
今回ご紹介するのは、アメリカの老舗ボトルメーカー「スタンレー」のクラシック真空ボトルに合わせて作られた『ボトルカバー』です。
「スタンレー」というメーカー名は知らなくても、この写真を見てキャンプでよく使われている「あのボトル」と感じた方は多いのではないでしょうか。昨今のキャンプブームも相まってキャンプ道具としての人気も高まったクラシックなボトルです。
でも今回の主役はボトルではなく、それを包む『カバー』です。
このカバーを作られたのは、キャンパーの「中村友洋」さんです。中村さんはインスタグラムで2万人以上のフォロワーがいる、いわゆるカリスマ・キャンパー。その信念に「自分で気に入った道具を生み出し、キャンプを楽しみたい」という考えがあり、キャンプに使われる様々な道具を自ら作られてきました。
そんな中村さんが、二人の愛娘の為に作られたのが、このボトルカバー「ayanotosaki」(アヤノトサキ)です。そう、ボトルカバーの名前そのものがお二人(アヤノさん と サキさん)の名前になっているのです。
作るきっかけとなったのは、父親が娘に「何かを残したい!」という純粋な思いだったそうです。中村さんはある時ふっと、「もし、事故や病気で突然この世を去る事になったら」とそんなことを考えてしまいました。地球規模の大きな災害が身近に感じられる今だからこそ、自分は愛する娘たちに思いを込めた物を残しておけないだろうかという思いに駆られたそうです。そんな思いを抱いていた時に、娘たちに用意したボトルに目が留まりました。「これだ!このボトルに長く使える革で作ったカバーを作ろう!」。その後、試行錯誤を繰り返し、ようやく2人に「プレゼント」することができました。娘さんはとても喜んでくれて、数年以上たった今でも大切に使ってくれているそうです。でもこの間、子供が使うには個性的すぎるデザインだったせいか、友達からは「ダサい!」「ヘンや!」と言われたこともあったそうなのですが、娘さんたちは「別に言われてもいいねん。これがいいからずっと使うねん」と使い続けてくれています。本当に心温まるお話です。
そして光栄な事に、この思い出のボトルカバーの素材として選んで頂いたのが山陽の本ヌメ革でした。積み重なる思い出と共にボトルカバーも時間を経て綺麗なアメ色の経年変化をしてきています。またこれからも時を重ねることでより一層味わい深くなることでしょう。素晴らしい贈り物です。
このような体験談から、多くの方から支持を得て、製品として販売されました。
第一ロットは受注会のみでの販売だったそうで、すぐに完売されてしまいました。現在第2ロットの製造が進んでいます。
もちろん販売に使って頂いた革も山陽の本ヌメ革!本当にうれしいかぎりです。
ちなみに中村さんがキャンプを始められたのは、「家族と楽しめる趣味を持ちたい」と思いからだったそうです。
もともとスポーツマンだった中村さんは、山道を走るトレイルランニングを趣味とされていました。しかしヘルニアを患い挫折を余儀なくされてしまいました。そんな時に友人の誘いからキャンプと出会いました。その時にキャンプの魅力に開眼したと同時に、これなら家族とも楽しめると思われたそうです。
なるほど、ボトルカバーに込められた思いはこの時の延長線上にあったのですね。
そして家族への思いの傍らには革製品があり、世代を越えて受け継がれていきます・・・
今回、一つのボトルカバーからとてもエモーショナルなお話をご紹介することが出来ました。
皆さんも革製品を傍らに置き、ぜひ自分だけのストーリーを綴って頂けましたらと思います。
本日はここまで。
また次回に。
中村友洋さんのインスタグラムは@omahaddayでご覧いただけます。
また中村さんはクリエイティブグループHikUの一員でもあります。HikUのインスタグラムにつきましては、@hiku_officialをご覧ください。
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