山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
山陽Letter
みなさんの身近に「山陽レザー」では、当社の革が使われている商品をシリーズでご紹介しています。
今回は、レザーバッグです。
ただ、普段私たちが良く目にする革のバッグではなく、ファッション性を追求したバッグです。
こちらのファッションショーのモデルの方々が使われているDoubletのレザーバッグに山陽レザーが使われています。
「Doublet(ダブレット)」は、2012年にデザイナーの井野将之さんが設立されたブランドです。
Doubletは、2013春夏の展示会よりデビュー。
その後、井野将之さんは「2013 Tokyo新人デザイナーファッション大賞」を受賞されました。また、2018年LVMH(※)が主宰する若手支援のための国際コンテスト「LVMHヤングファッションデザイナープライズ」で日本人で初めてグランプリを受賞されました。
2020年1月、パリメンズファッションウィークにて2020-21年秋冬シーズンのランウェイコレクションを発表し、パリコレデビューを飾られました。
(※)LVMH:モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン。ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、ティファニーといったブランドを傘下に持つ複合企業
このような華々しい活躍を続けられているDoubletのコンセプトは、『違和感のある日常着』。ベーシック・スタンダードなアイテムを基本に唐突なアイデアを混ぜ込み、独特の世界観をコーディネートされています。
私自身、Doubletの作品を拝見して強く感じるのは、「Diversity(多様性)」です。『こうでなくてはならない』という先入観をあっさりと取り払い、「いろいろあって、みんな良い!」というような全肯定の新しさです。
今回、山陽と繋がるきっかけになったのが、山陽の技術を生かして作った新しいアップサイクル・レザー『PhiX.Leather(フィクスレザー)』でした。
山陽では、2022年よりフィクスレザーを展開。
2022年の「ファッションワールド2022秋」に出展した際に知って頂き、レザーバッグへの採用につながりました。
これまで傷や痛みが目立つ革は、表面(銀面)を顔料系の塗料でカバーリングするという手法が多く取られてきました。しかしフィクスレザーでは、あえて「隠す」という事をせずに、「傷や痛みも個性」として生かす革として仕上げました。その際にワックスを多く含侵させることで、「しわ」や「曲げ」部分にしっかりしたプルアップ効果が表れるようになっています。
Doubletの作品でも、製作時や使用時にできる「しわ」と革が持つ「個性」が融合することで、アンティークでワイルドな仕上がりを感じました。
※フィクスレザーについては、こちらの読み物「フィクス・レザー ~見せるアップサイクルレザー」もご覧ください。
Doubletのレザーバッグでは、「デザインの多様性」と「素材開発でのサステナブルな思考」そして「本革(リアルレザー)という伝統的な素材」という3つの要素が、絶妙に結びついた点に、私個人は素晴らしさを感じています。
これから私たちが新しい時代を生きていく中で、これらの要素はいずれも大切にすべきものです。
今回のレザーバッグは、パリ・メンズ・ファッション・ウィークにおいて2023-24年秋冬コレクションのショーでお披露目されました。
発表された作品それぞれが、新しい時代に向けた一つの解答例のように思えました。
以下のサイトからショーの模様がご覧いただけます。
パリ・ファッションウィーク(PFW)2023年秋冬コレクション「Men’s : 2023/1/22 Doublet」
【朝日新聞デジタル (asahi.com)】
今回は、ファッション界での採用例を紹介させていただきました。
レザーは、実用的であるとともに、ファッショナブルな活かし方もできる素材であると私たちは考えています。
これからも皆様の人生を彩るような、耽美性の高いレザーを提供していきます。
本日は、ここまで。
また次回に。
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