山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
山陽Letter
みなさんの前回の『みなさんの身近に「山陽レザー」⑫~FEDECA「レザーケース」』はいかがでしたでしょうか。今回は、FEDECAブランドを生み出された神沢鉄工株式会社様の工場に伺ったレポートをご覧ください。(神沢鉄工株式会社 公式WEBサイト)
神沢鉄工株式会社様の本社および工場は、兵庫県三木市にあります。
兵庫県三木市は、新潟県燕市・三条市や岐阜県関市などと同様に古くから金物や刃物の町として栄えてきました。三木の地で金物が作られるようになったのは550年ごろとも言われており、約1500年の歴史を持つ日本最初の金物の町です。
その金物の町で、1895年(明治28年)に神沢鉄工株式会社は創業されました。
時代の変遷とともに近年は、工業用の自由錐(サークルカッター)といった製品を作られていましたが、安価な海外製品との間で厳しい競争となって行きました。
そのような中、現社長 神澤秀和さんは2008年頃に「もう一度、原点に立ち戻って、刃物の素晴らしさ、楽しさを伝える挑戦」を始められました。伝統的な技術を持たれている鍛冶屋の方々に学び、日本の鉄づくりの原点である「タタラ製鉄」の炉も作られました。
(FEDECAのロゴは、タタラの形をモチーフにされています。)
そこで得られたマインドがFEDECAの理念・ビジョンである「木と鉄の文化の継承」「刃物で遊ぶ文化をつくる」に繋がっていると強く感じました。
少し前置きが長くなってしまいましたが工場の中をご紹介したいと思います。
まず、刃物・金物の元になる素材ですが、このような形状をしています。当たり前ですが、最初は長方形の“鉄の板”といった感じです。しかしこれは、3層構造になっていて、真ん中に鋼、両サイドがステンレスというサンドイッチ状になっています。鋼の堅さとステンレスの錆びにくさの両立するものですね。(高級な包丁もこのようになっていたと思います。)
この素材を製品に合わせてプレスで抜いた後、こちらの炉で熱処理を行い、炉の下にある油に漬けます。この時、急激に冷やされる事で鉄の堅さが増します。
鍛冶屋さんが真っ赤に熱した刃物を金づちで叩き、その後、水や油で急激に冷やすというシーンを思い描いて頂くとわかりやすいかもしれません。
この時点では、刃や外周は粗い状態ですので、ベルトサンダーで削ったり研磨機で磨いていきます。
この工程は一つ一つ全て職人の方々の手作業で行われています!
まず、ベルトサンダーを用いてペーパー(紙やすり)で研磨します。粗いものから細かなものへ、数種類のペーパーで丹念に磨かれていきます。
このように、一つ一つ丁寧に仕上げられています。
下の写真が、研磨機でしのぎ面を研磨した前と後です。ピカピカに研磨されています。
次に持ち手の木材の加工です。木材加工も同じ工場内で行われています。
下の写真は製品ごとの形に加工された素材です。
こちらの素材を下の写真のように複数並べて専用の機械で削っていきます。それぞれ形状の削る形をプログラムしてあるそうで、正確に出来上がっていきます。
そして最後に、金属部分と木材部分をネジで組み上げて完成です。
ちなみにここで使う真鍮のネジも工場内で製作されています!
(こういった細部へのコダワリはユーザーにとって嬉しいですね。)
そして、完成した商品は出荷されます。
また、神沢鉄工様では、工場の隣にギャラリーを併設されており、商品を直接見ることができます。(事前予約制)
また、今後ギャラリーや工場を見ることができるイベント(オープン・ファクトリー)も企画されているとのことです。(※2月のVol.1を皮切りに、定期的に開催を計画されています。詳しくは、文末をご覧ください。)
製品を使って楽しむことはもちろん、その製品が生まれてくる工程や雰囲気に触れてみるともっと深い愛着が湧くものだと思います。
ぜひ一度訪れて見られてはいかがでしょうか。
最後に、“FEDECAの商品パッケージの裏側”にも、ご注目頂ければと思います。
本日はここまで。
また次回に。
★ぜひ、こちらの読み物(NOTE)もご覧ください
みなさんの身近に「山陽レザー」⑫ ~FEDECA「レザーケース」
(※)FEDECA OPEN FACTORY vol.1
開催日程:2023年 2月11日(土・祝)10:00~15:00
開催場所:神沢鉄工株式会社 本社・工場(兵庫県三木市)
定 員:先着30組<1組あたり車1台>
参加費 :無料
応募方法:FEDECA公式オンラインストアサイト(https://store.fedeca.com/)にて
2023年1月27日(金)12:00〜 申し込み開始
詳細については、FEDECA公式インスタページもチェックしてみてください。
☆今後も継続的にオープン・ファクトリーを計画されているとのことです。
CONTACT
革の製造をご依頼の方はこちらから。
その他、レザーにまつわる、さまざまな
お問い合わせを受け付けております。
メールでのお問い合わせ