山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
山陽の読み物(NOTE)をお読み頂きありがとうございます。
今回は、「革の部位について vol.2」と題しまして、ちょっと詳しい「革の部位」についてご紹介していきます。
以前に「革の部位について」というテーマで、革の代表的な部位についてお話しさせていただきました。(もし、まだお読みでない方は、よろしければこちらをご覧ください。)
以前の回では、革の部位として「ベンズ(BENDS)〔またはバット(BUTT)〕」「ショルダー(SHOULDER)」「ベリー(BELLY)」「ヘッド(HEAD)、ネック(NECK)」をご紹介しました。
もちろんこちらは基本であり、革を扱う上でこれを知っておけば、おそらく困られることは無いと思います。
しかし今回はあえて、もっと革の事を知りたい!というディープなレザーファン、レザーフリークに向けてVol.2をご紹介していきます。
牛革を以下の図のように区切って考えてみてください。
上の図において、「AとBとD」もしくは「AとCとE」の部分を指します。
つまり半裁革(牛一頭分の革を背中で半分に割った状態の革)のなかで、お腹周りにあたる「ベリー」を除いた部分を指します。
上の図において「BとD」もしくは「CとE」の部分を指します。
クロップからヘッドの部分を除いた部分です。
上の図において「DとE」の部分を指します。
別名、「ダブルベンズ(DOUBLE BENDS)とも呼ばれ、半裁にせずに左右のベンズだけを取った部分です。牛革においてはお尻にあたるベンズは繊維の密度が高く厚みがあり、丈夫な部分ですので、良質な部分と言われています。その部分だけという贅沢な取り方ですね。
上の図において「AとBとCとDとE」の部分を指します。
丸革(牛一頭分の革)において両サイドのお腹周りにあたる「ベリー」を除いた部分を指します。
(もしくは2つのクロップがつながった状態とも言えます。)
上の図において「FとDとEとG」の部分を指します。
ちょうど牛一頭分の革のショルダーよりも前を除き、後ろ半分を取った部分です。
CULATTAとは、イタリア語で「牛や豚の臀部(おしり)の肉」という意味の言葉です。
馬の臀部から脚部までを含めた部位のレザーを指す事もあるようです。
実際のところ今回ご紹介した名称が使われることは、決して多くはありません。
当社においても、稀に「クロップ」で販売することがあります。また海外では「クルーポン」や「クラッタ」での原皮や革の流通があると聞いたことがあります。(私が知る限りですが)
しかし革は長きにわたって世界中で作られてきましたので、各地域や用途によって、このような多種多様な分類や呼称が存在しています。
このような背景を想像しながら知識を増やしていくことも、楽しみの一つであると私は感じます。
本日はここまで。
また次回に。
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