山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
先日、「革製品のお手入れ ~防水スプレー~」で革の防水性を高める方法として防水スプレーの使用についてご紹介しました。(まだお読みになっていない方は、よろしければこちら〔革製品のお手入れ ~防水スプレー編~〕をご覧ください。)
今回は、もっとタフに雨などの水分を防ぎたいという要望から生まれた「特殊防水革」の一つである「Gore-Tex(ゴアテックス)対応革」についてご紹介したいと思います。
「Gore-Tex(ゴアテックス)」という言葉を聞かれた事がある方も多いと思います。
Gore-Texは、高い防水性で品質が認められている高品質素材でアメリカの会社であるWLゴア&アソシエイツ社で開発されました。ジャケット、フットウェア、グローブなど多くの製品で使われています。
防水性と透湿性を両立させた特殊素材(Gore-Tex)を裏材に使用する革靴などには、その表面に使用する革にも高い防水性と透湿性が求められます。例えば靴の場合、汗から発生する水蒸気は通すが雨は通さない。(※最初に載せました写真は、革の透湿性を実験した模様の写真です。下から送られた空気が革の内側から外側へ気泡となって抜けているのがわかります。)
そのため染色工程で防水剤、防水加脂などを使用し、高い防水性を革に与えてクラスト(仕上げ前の素材)を作り、一定の防水規準を満たしているかを判定しています。
そして、規準を満たしたもののみ仕上げ工程に進めています。
仕上げ工程では塗装が厚くなると透湿性が下がるため、アニリン仕上げ又はセミアニリン仕上げのみにより慎重に仕上げています。
そのため使用される革も等級の良いものを厳選しています。加工(素材工程、仕上げ工程)においても非常に難しい製品の一つです。
透湿性においては専用の検査機器を使って検査しています。
Gore-Tex対応革を製造し、社内で判定できる企業は限られておりますが、当社はその限られた企業のうちの一つです。
Gore-Tex対応革は、株式会社リーガルコーポレーション様、株式会社スピングルカンパニー様、アサヒシューズ株式会社様などの多くの商品に採用されており、アウトドアや厳しい条件での作業で活躍しています。
※尚、Gore-Tex製品としての最終検査および評価は、靴などの製品になった際に行われています。
私たちの作った素材が、皆さんの生活の一助になっていることが実感できるのは、喜ばしい限りです。
今後も私たちが作る特殊防水革のような機能性に優れた革をご紹介したいと思います。
本日は、ここまで。
また次回に。
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