山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
革の世界
山陽の読み物(NOTE)をご覧いただきましてありがとうございます。
『革をやわらかく』をテーマとした読み物の最終回です。
今回ご紹介するのは、「バイブレーション」という工程です。ちなみに「バイブレーション」は「ステーキング」という名前でも呼ばれます。
その外観は、下の写真のようなものです。
グレーの布地の上に革を載せて処理が進んでいきます。
装置を動かすと、この布地が大きく振動しながら動いていきます。そしてベルトコンベアーのように革が運ばれ、布地と布地の間に入り込んで行きます。
内部では、以下のように上向き・下向きの突起が上下運動をするようになっていて、その突起の圧力で革が押され、繊維が揉みほぐされていきます。
山陽レザーデーで工場見学をしていただいた際に、見ていただくこともあるのですが、非常大きな音、振動で、驚かれる方もいらっしゃいます。
このバイブレーション(ステーキング)は革の柔軟性を高める工程としては、最も緩やかな工程です。
加えて、革一枚ごとに処理していくので状態をみながら調整しやすいという利点もあります。
そのため革のコンディションを最終的に整えるという目的で使われるいった感が強いです。
前回の空打ちタイコもそうだったのですが、しばしば他の工程と併用して使われます。(まだお読みで無い方は、こちら「革を柔らかく(1) ~バタ振り編~」・「革のやわらかく(2) 〜空打ちタイコ編〜」をご覧ください)
例えば、『空打ちタイコ+バイブレーション』や『バタ振り+空打ちタイコ+バイブレーション』といった感じです。
個人的にも最終段階でバイブレーション処理を行った革は、しっとりとした自然なソフト感が出ているように感じます。
これまで、革の柔軟性を高める方法・処置として3つを紹介してきました。
もちろんこれら以外にも、含有するオイルの量を調整するや柔軟性を高める添加剤を入れるといった方法はございます。
しかし、タンナーらしく(!?)革に絶妙なアクションを施して仕上げていく方法を今回のシリーズではご紹介してみました。
「やわらかな革が欲しい!」というご要望は、本当にたくさんの方々から頂きます。
私たち山陽も、ご希望に添えるように日々、工夫してまいります。
それでは、本日はここまで。
また次回に。
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