山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
こんにちは。山陽の読み物(NOTE)をお読み頂きありがとうございます。
今回は、「丸革について知ろう」と題しまして、お話を進めていきたいと思います。
4月に「半裁革 購入のススメ」というテーマで牛革の生産および販売の際には、牛1頭分の原皮を半分に裁った形になることが多いとお話ししました。(まだお読みになられていない方はこちらをご覧ください。)
今回のテーマ「丸革」はこちらの続編という位置づけです。
よく革を表すシンボルとして画面の上にあるような形を見られたことがあるかと思います。(鞄などのブランドタグや本革であることを表すタグとしても使われていますね)
この形は、牛の原皮の形が基になったものです。
ちょうど上の部分が頭、左右2つずつの出っ張り部分が足になります。
このようにちょうど牛の形になっています。
私たち山陽が作っている牛革のほとんどは、この形を真ん中で2等分した形である「半裁」ですが、稀に1頭分そのままの牛革もあります。この牛革を「丸革(まるかわ)」と呼んでいます。(皮革業界の職人間では、縮めて『まる』と言われることもあります。)
丸革として作られるのはどんな時かですが、①面積が小さい革の場合 ②一枚物の大きな革を必要とする革製品を作る場合 の2つです。
まず「①面積が小さい革の場合」ですが、例えば子牛の革である「カーフ」は丸革で作られます。カーフは約90デシの広さしかありません。大人の牛(ステアなど)の場合、約500デシあるので、その20%程度の広さということになります。そのため、半裁にしてしまうと小さすぎて革製品に加工しにくい為、丸革で扱われます。
同じように、面積が小さい子羊や子ヤギ、豚なども丸革で扱われることが多いようです。
次に「②一枚物の大きな革を必要とする革製品を作る場合」ですが、これは例えばカーシートや家具などに使われる革をご想像ください。
こういった大きな物に革を使う場合、できるだけ広い一枚革が必要となります。そのため丸革で作られます。
今回は、少し踏み込んだ革の世界のお話しをご紹介しました。
皆様のレザーの知識が深まる一助になれば幸いです。
それでは、本日はここまで。
また次回に。
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