山陽Letter
靴磨き選手権大会 ~革靴にかける熱き戦い
革の世界
こんにちは。
以前に、山陽の読み物(NOTE)では「ブライドルレザー」という革を取り上げたことがありました。(もしまだお読みになられていない方は、こちらをご覧ください。)
その時に、「ブライドル」という名前は、馬の頭部に付けられる「頭絡(bridle)」からとられたとご紹介しました。
革は、古来より馬具の素材としても使われてきたために、馬具の名前の一部が革の名称になっているものがいくつかあります。
今回ご紹介する「サドルレザー」もその一つです。
サドルレザーの「サドル」は、馬に乗るときに使う「鞍(saddle)」で、「鞍の革」という意味になります。
この鞍に使う革ですが、「丈夫さ」「堅さ」「適度なしなやかさ」そして「防水性」が必要となります。
そのような条件を満たす素材として、「厚手のヌメ革」であり「オイルを多めに含ませたもの」が広く使われるようになったようです。
現在では、サドルレザーというと「厚手で、オイルを多く含ませたヌメ革(植物性のタンニン鞣し革)」を指すようになっています。
また色については、革の定義とは外れますが、ナチュラルなブラウン色(特に着色などは行わず、経年変化によって飴色への変化が進んだもの)をよく目にします。
とにかく、分厚くて長時間の乗馬でもへたることが無いしっかりした革が使われています。
少し蛇足になりますが、2020年度前期放送の朝ドラ「エール」(昭和を代表する作曲家・古関裕而、妻・金子 夫妻の生涯をモデルとしたドラマ)の中で、ヒロイン・関内音の実家である「関内馬具店」で職人が厚い革を使って鞍を作るシーンが描かれていました。(もしかしたら覚えている方もいらっしゃるかもしれません。)大柄な男性が、太い針で、畳を縫うが如く革を縫い合わせていくシーンは個人的に印象的でした。
このサドルレザーは、その丈夫さやナチュラルさから今では革製品、おもに財布などの革小物の素材として人気の高い革となっています。
植物タンニン鞣しの革は、使うごとに色も飴色に変化していき育てる楽しみがあり、適度に浸透したオイルで、自然な防水性があります。
このようなナチュラルな革製品を一つ持っていると「本物志向の人」という印象を持ってもらえそうですね。
本日は、ここまで。
また次回に。
山陽では、サドルレザーという名称で販売している革は無いのですが、世界的にも希少となっている伝統的なピット槽で作ったフル植物タンニン鞣し革「ピットヌメ」を作っています。またベルトや靴に使われる「厚い革」を長年生産しています。
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