山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
こんにちは。
今回は、久しぶりに革の世界についての話題です。
皆さんは、「ナッパレザー」という革をご存知でしょうか?
「なんとなく言葉は聞いたことがあるけど、何?」という方も多いのではないでしょうか。(私も正直なところ最近まで「ナッパレザーって何?」と思っていました。)
それもそのはず。実は、ナッパレザーというものが、様々な拡大解釈をされ続けてきた革の名称だったからなのです。
ナッパレザーとは、もともと羊や山羊の革を明ばん鞣しを行った後、植物タンニン又はクロム鞣剤により再鞣しされた革の事で、アメリカ・カリフォルニア州ナパ(NAPA)地域で作られていたことからその名前がつきました。その特徴はとても柔らかく手袋や衣料用の革として使われることが多かったようです。
原皮種についても最初は羊革や山羊革だったのですが、現在では、牛革を使われるようになり、柔軟で強じんな牛革を指すことが多くなっています。鞣し方法についても、「クロム鞣し」の革もナッパレザーと呼ばれる事があります。高級車のシートなどに使われている薄くて強い革を思い描いて頂くとよいかもしれません。
このように、ナッパレザーについて知っていくと柔らかく強い革の総称の様になっているようにも感じます。ここまでくると若干、拡大解釈のし過ぎのように個人的には感じますが、「柔らかく」「強い」という特徴の軸は持ったまま、鞣し技術の進歩や原皮種の希少性などから時代に沿った変遷を経てきたものだとも解釈できます。
さて、革の鞣し技術の一つ目標として、「柔らかくする」という事があげられます。
古来より行われてきた「タンニン鞣し革」は鞣し剤が革のコラーゲン繊維の内部にしっかり入り込み、高い堅牢性を実現しているのですが、柔らかさを伴った強さという点では苦手な面がありました。近年に発明された「クロム鞣し革」ではその点に優れた特性を持っています。
ナッパレザーという名称ではないですが、私たち山陽が作っている『絹革』も「しなやかな強さ」を求めた革です。
絹革についてはLEATHER PROJECT 『KINUKAWA(絹革)』および読み物『絹革 ~なめらかに、やわらかく』のページをご覧ください。
また、絹革は、第104回 東京レザーフェア(2022年12月8~9日)で各社の渾身の一点を集めた「極めのいち素材」の来場者投票で2位を受賞しました。※詳しくはこちらへ (革の製作は、当社が行っています。)
レザーも私たちが求める特徴を実現すべく日々進化しています。
これからも皆様の生活に役立つレザーの情報を発信していければと思っていますので、ご覧頂けましたら嬉しいです。
では、本日はここまで。
また次回に。
◆ナッパレザー、絹革を山陽のレザー販売サイト「SANYO LEATER STORE」で取り扱いを始めました
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