山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
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こんにちは。
これまで、革製品に関係する記念日として「革の日」「革製品を贈る日 ~サンクリスピンデー」「カバンの日」をご紹介してきました。
ちなみに靴の日は、3月15日、カバンの日は8月9日でした。(まだ読まれていない方は、「革の日」「革製品を贈る日 ~サンクリスピンデー」「カバンの日」をご覧ください。)
今回ご紹介するのは「ベルトの日」です。
代表的な革製品というと靴、カバンに続いて連想される方も多いのではないでしょうか。
その「ベルトの日」ですが、12月10日でした。
まずは、「ベルトの日」の由来です。
12月になるとクリスマスソングの「ジングルベル」が街に流れるようになりますね。この「ベル」に、10日の「ト」を組み合わせて「ベル・ト」とする語呂合わせから決められたそうです。個人的にちょっと苦しい気もしますが…12月になった理由として奈良の正倉院に収蔵されている日本での最古のベルトに紺玉の飾りが付けられており、その紺玉は12月の誕生石であるラピスラズリであったことから12月が選ばれたというお話があり、『納得』しました。
このベルトの日ですが、紳士用ベルトメーカーの組合である「東京服装ベルト工業協同組合」「大阪服装ベルト工業協同組合」、金具メーカーとで構成をされる「日本服装ベルト工業連合会」が制定し、2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。実用性、ファッション性、そしてギフト製品としても需要の高いベルトの良さをアピールすることが目的とのこと。
確かに、靴やカバンとは違った意味でオシャレをアピールできるアイテムだと私は感じています。個性が光るベルトをつけることでオシャレ度はグッとアップすると思います。
そこで代表的な形をご紹介しましょう。
ベルト種類は、大きく3つに分けられると言われています。
ピン式は、デザイン的にもバリエーションが多い形です。フリーサイズが主流になりつつあります。一番よく見られる形ではないでしょうか。
バックル式の特徴は長さの微調整がしやすいことです。
トップ式はピン穴だけ固定するので、パンツをゆったりと締めるときに向いています。また金具の部分にロゴやマークなどのデザインを入れることが出来ることも特徴です。
ベルトの構造を分類すると、ジーンズなどによく使われる一枚の革で仕上げた『一枚もの』と複数の革を合わせた『合わせもの』の2種類があります。
「合わせもの」では表革と裏革の間に芯を入れて、接着した『貼り合わせ』と両縁にミシンをかけた『縫い合わせ』があります。その縫製方法は以下のように複数あります。
一枚の表革で芯革を完全に包んで張り合わせたもの。
フランス合わせとは反対で、表革を裏へ返して芯革を包み込むように裏まで回し、裏革をそのまま貼り合わせたもの。
裏革で芯革のフチを包み込み、上から表革を貼り合わせたもの。ワニなどのは虫類革やオーストリッチなど高級革でよく使用される縫製方法。もともとフランス製品の多くでこの縫製方法を行っていたためこの名がついたと言われています。
ベルトの両サイドを薄く仕上げたもの。ビジネススーツなどの細いベルト通しなどに負担をかけないような構造になっています。
表革と芯、そして裏革の3枚を接着剤で張り合わせたシンプルな縫製です。カジュアル向きの縫製方法としてポピュラーに使われています。
ベルトのバックル・加工についてご紹介しましたが、なんといってもベルトに適した素材を考えた時に思い浮かぶのは「レザー」ですね。引っ張られた時の強度、ベルト穴の耐久性、ベルト本体の寿命などを考えると、やはりレザーに辿り着くように思います。
またベルトに使われる革は、主に背中部分で「最も長さが取れる」ところです。これだけの長さを取れる箇所は背中以外には無く且つ強度も高い為、貴重な部位です。(お腹の部分ですと、引っ張りに対する強度が十分ではなく、長さも取れません。)
普段何気なく使ってしまいがちなベルトですが、実は奥が深くて貴重なアイテムなのです。
本日はここまで。
また次回に。
<参考資料:レザーソムリエ公式テキスト(日本革類卸売事業協同組合 発行)>
※レザーソムリエについてはこちらをご参照ください。
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