株式会社山陽

 

NOTE

社長に聞く Vol.5 ~LWG(Leather Working Group)④~

山陽の読み物(NOTE)をお読みいただきありがとうございます。

前回から社長に聞く Vol.5「LWGについて」をシリーズでお送りしています。

今回はその最終回。日本の革とLWGについて聞いていきたいと思います。
それでは、お楽しみください。


Q1. 現在(2023年10月)の日本企業のLWG環境認証の取得状況について教えてください。

現在、日本の企業としては、9社がLWG環境認証を取得しています。
そのうち5社が皮革製造メーカー(タンナー)であり、もう1社が貿易業者(トレーダー)、3社が皮革下請け業者です。
またLWGメンバーシップとして協賛している企業は、「アキレス株式会社」「シチズン時計株式会社」の2社です。
(※)2023年10月に新たに6社がLWG環境認証を取得されました。

Q2.もっと多いイメージがあったのですが…

そうですね。正直なところ他の国に比べて多いとは言えないのが現状です。
LWG環境認証の取得が最も進んでいる地域はヨーロッパ圏です。全体の約半数強がヨーロッパ圏での認証取得です。その理由としては、LWGの本部が置かれており、皮革を産業として立ち上げるという文化が最も進んでいた地域ですから納得がいきますね。
次に多いのはインド圏、その後に中国・東南アジア圏と続きます。
この結果を見ると、個人的にアジア圏の関心の強さに圧倒される思いです。私たち日本のタンナーもグローバルな視点を持たないといけないなという思いが強くなりますね。

Q3.日本でLWG環境認証の取得が少ない理由としてどんなことが考えられるでしょうか。

難しい質問ですね。多方面から考察するべき内容ですので、一概には言えません。
ただ日本特有の動きとして特筆すべきは、日本独自のレザーの認証規格や制度が立ち上がってきたことでしょうか。
例えば「日本エコレザー認定」や「ジャパンレザープライドタグ」です。
〔※これまでに、この山陽の読み物(NOTE)でも取り上げていますので、詳しくはこちら(「エコレザー ~もっと環境にやさしい革を~」「ジャパンレザープライド ~メイド・イン・ジャパンLEATHER~」)をご覧いただければと思います。〕

日本のタンナーが決して品質や製造環境に対して無関心だったというわけではなく、自分たちの力で、日本の革、ジャパンレザーのその良さを改めて客観的に見つめなおし、訴求していこうという動きが、ちょうどLWGが発足、拡大していく時期に起こっていました。
そういったことも無関係ではないように思います。
日本独自の方法を追求することは、大変すばらしいことであると思います。
今後はそれに加えて、グローバルな視点を培っていきたいです。

Q3.グローバルな視点、大切ですね。ところで日本の革は世界的にはどのような評価をされているのでしょうか。

世界からも評価をされていると私自身は感じています。
革づくりで有名な国というと、イタリアやドイツなどのヨーロッパ圏の国々があげられます。確かにそれらの国々は製革の歴史や技術革新が早くから進み、高い評価を得られています。イタリア製の色鮮やかなレザーやドイツの堅実な製革技術は目を見張るものがあります。
しかしジャパンレザーも古来より受け継がれた伝統的な製革の知識に加えて、近代的な技術を積極的に取り入れ、ヨーロッパの各国に引けを取っていません。日本人らしい『こだわりの精神』と『繊細さ・丁寧さ』を併せ持つジャパンクオリティーはレザーにも生きていると考えます。
今後LWG環境認証の取得を通じて、世界的な場面でもジャパンレザーを使って頂けるように精進してまいります。

 

いかがでしたでしょうか。
今回は、LWG環境認証というテーマを通じて、日本の革、ジャパンレザーの今について取り上げました。少しでも日本のレザーへのご関心に繋がりましたら嬉しいです。

シリーズ「社長に聞く」は継続していく予定です。また別のテーマでお会いしましょう。

本日はここまで。
では、また次回に。

 

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