山陽Letter
【山陽レザー】#006 アーマー(グローブひも用革) ~「切れない革」を目指して
革の世界
革に興味を持ったり、レザークラフトを始めてレザーショップや即売会、イベントなどで革を買ったりするようになると「デシ」という言葉を聞くようになると思います。
今回は、この「デシ」についてお話します。
「デシ」とは、皮革業界では広く使われている皮革の面積の単位です。
その意味は、10センチ×10センチ の正方形を「1デシ」と呼んでいます。略語として「DS」が使われていて、「1DS」などと書かれている場合もあります。
デシの語源は、デシリットル(dl)と同じく、「10分の1」の意味の「デシ(deci)」です。
つまり、1デシは10 cm〔1/10 m〕×10 cm〔1/10 m〕=100 cm2 の大きさになります。日常生活で見ることはありませんが、デシ平方メートル(dm2)という単位で表記される事もあります。
このデシという面積の単位ですが、メートル法が施行された1959年(昭和34年)から使われ始めたそうで、それ以前の単位は坪<つぼ>と呼ばれていたそうです。
ちなみに何故、皮革業界では他業界では使われないデシ(デシ平方メートル)が使われるようになったのかは定かでないのですが、革を示す単位として平方センチメートルでは細かすぎるし、平方メートルでは大きすぎて革1枚がすべて小数点以下の表記になってしまう事からちょうどよい単位だったのではないかと思われます。
さて、このデシという広さの単位ですが、皮革業界ではとてもよく使われており、「デシあたり○○円」、「デシ単価 ○○円」、「この革は250デシあるよ」など業界の共通語になっています。
また不規則な形をした「革」を人工的な単位である「デシ」に換算するという工程は正確に行う必要がありますので、適正に測定ができる計量機で行っています。また計量機を所有しているタンナー(製革業者)は「全日本皮革計量協会」という協会に登録を行っています。革の裏側に貼られているデシ数を示すシールには「全日本皮革計量協会」に認定された各タンナーの登録番号が示されていて、適正なデシ測定の証となっています。(当社も「全日本皮革計量協会」の登録を行っており、適正なデシ測定を行っています。)
最後に、それぞれの革の大まかなデシ数を記載しています。ご参考にしていただけましたらと思います。
革の種類 | 大きさ(デシ) | |
---|---|---|
牛革 | 成牛 | 400~600 |
キップ〔若牛〕 | 240~300 | |
カーフ〔子牛〕 | 約90 | |
豚革 | 100~150 | |
羊革、山羊革 | 100~150 | |
(参考)A4用紙 | 約6 |
革の面積については、デシ以外にも「スクエアフィート」「スクエアメートル」の単位が海外で使われることがあります。また極厚のヌメ革では、重さ(kgやポンド、オンス)で取引されることもあります。
「デシ」から進んだ詳しいお話です。こちらの記事もご覧ください。
※極厚ヌメ革が重さで取引されるお話を載せています。
では、また次回に。
<参考資料:レザーソムリエ公式テキスト(日本革類卸売事業協同組合 発行)>
※レザーソムリエについてはこちらをご参照ください。
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