山陽Letter
“本物” について考えてみる ~本革と言われるのはなぜ?
革の世界
山陽の読み物(NOTE)をご覧いただきましてありがとうございます。
今回は、ガーメントレザーについてお話ししたいと思います。
まず、ガーメントという言葉をご存じの方は少ないかもしれません。
ガーメント(garment)は英語で、衣料・衣類を指す言葉です。
スーツなどの衣類を入れるバッグの事を「ガーメントバッグ」と言いますので、それでピンとくる方がいらっしゃるかもしれませんね。
さてガーメントレザーは文字通り「衣料に使う革」という意味で使われます。
レザージャケットやレザーコートなどの革を使った衣料に使える柔らかくてしなやか、適度な伸びもある革です。
一般的にはクロム鞣しで作られていますが、コンビ鞣しで作られたものもあります。
(※クロム鞣し、コンビ鞣しについて詳しくはこちらの読み物をご覧ください。「クロムなめしとは(1)・(2)」「コンビネーションなめしとは」)
一般的なレザーは厚みを1.5mm以上あるものが多く、ある程度の固さがあります。
それに対してガーメントレザーは、衣料として使える『柔らかさ』『しなやかさ』を持たせるために、鞣し方法や石灰漬け、加脂(オイルの付加)、バイブレーション(もみほぐし)などに工夫が必要です。特に革内部の繊維層の結束を緩める「石灰漬け」の工夫が重要と言われています。ガーメントレザーは少し特殊な部類の革というのが私の印象です。
(※革の生産工程について詳しくはこちらの読み物をご覧ください。「皮から革へ」)
また同じように柔らかくてしなやかなレザーとしてナッパレザーという名前を耳にしたことがあるかもしれません。
これら2つの風合いに大きな違いは無いのではないかという印象があります。
つまりガーメントという「衣料・衣類」という側面に注目して命名された革とアメリカ・カリフォルニア州ナパ(NAPA)地域で作られはじめたという由来から命名された革という違いかなと理解しています。
(※ナッパレザーについて、詳しくはこちらの読み物をご覧ください。「ナッパレザーとは」)
レザーコートや革ジャンというイメージが強いガーメントレザーですが、柔らかなバッグ用の素材としても使われており、一般的にイメージされているよりも用途は広そうです。
ガーメントレザーは厚みを調整することで、大きなパワーを持たないミシンでも縫製が可能になる場合があります。これまでレザーを使われたことが無かった製作家の皆さんにもレザーの用途や使う楽しさが広まればとも思っています。
それでは、本日はここまで。
また次回に
山陽のECサイトでもガーメントレザーを扱っています。(商品名はナッパレザーとなっています)
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